TBS秋沢淳子さん鼎談(第2話)Intercultural Programsで異文化体験留学
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TBS秋沢淳子さん鼎談(第2話)Intercultural Programsで異文化体験留学

TBS 秋沢淳子 Photo=Eijiro Toyokura ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

パシフィコ横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議2022横浜」(SB 2022 YOKOHAMA)に基調講演の1人として参加されたTBSの元アナウンサーで現在は総務局CSR推進部で部長を務める秋沢淳子さん。

社業以外でも2000年に国際交流・教育支援・国際協力をテーマにしたNGO団体「スプートニクインターナショナル」を設立しスリランカで積極的に活動するなど多方面で活躍されています。

そんな秋沢さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎、副編集長・萱島礼香がお話をお聞きしました。

【目次】 TBS秋沢淳子さん鼎談

(第1話)アジア最大級の短編映像フェスティバル「DigiCon6」

(第2話)Intercultural Programsで異文化体験留学

(第3話)NGO「スプートニクインターナショナル」を設立

(第4話)持続可能な途上国アーティスト支援「ホワイト・キャンバス」

(第5話)仕事とプライベートの両立

(第6話)グローバルとインターナショナルの違い

(第7話)留学経験が全ての起点

(第8話)やっぱり自分って食べ物でできている

高校時代に、ニュージーランドへ留学

大谷: 秋沢さんは今、「ホワイト・キャンバス」の他にも「スタートバーンプロジェクト」と「スプートニクインターナショナル」の2つの活動もされていますね?

秋沢: 「スプートニクインターナショナル」は私が2000年に立ち上げた一般社団法人で、これは「国際教育支援」「国際交流支援」「国際協力」の3つの柱で、この3つに合致するテーマだったら何でもやるという形で活動しています。

萱島: 秋沢さんは高校時代に留学を経験されていましたよね?その時の体験が今の秋沢さんに大きく関わっているとお聞きしました。

秋沢: はい、公益財団法人AFS日本協会というところを通じてニュージーランドに留学しました。

右手にいるのが高校時代の秋沢さん

Intercultural Programsで異文化体験

大谷: ニュージーランドってとてもサステナブルな国ですよね。

秋沢: そうなんです。そして、今考えてみると、留学先がニュージーランドだったこともさることながら、このAFSというのもとってもサステナブルな団体で、語学留学ではなくIntercultural Programsで異文化体験留学を約100年前からやっている団体なんですね。

AFSはもともとアメリカン・フィールド・サービスといって、第1次世界大戦中に戦場で救急車のドライバーをやっていた青年たちの団体だったんです。それが第2次世界大戦を経て、何でこんな大戦争を世界中でやってしまったのかという反省のもと、これはお互いの文化や価値観、宗教を知らないで自分のほうが正しいとか、文化や生活習慣、宗教等の違いを卑下するような感覚が世の中に存在しているから世界中に紛争が絶えないのだということを感じた若者たちが、だったら世界を背負って立つような優秀な高校生を世界中に留学させて、1年間ホストファミリーとともに生活してもらい“違い”を理解し尊重する若者たちを育てようと始めたんですよ。その1年間を経験することで第2の故郷、第2の家族を作っていこうという活動ですね。

手前にいるのが高校時代の秋沢さん

大谷: なるほど。それはいい活動ですよね。異文化で1年間を過ごした高校生は、いちばんの外交をやってくれると思いますよ。

秋沢: そうなんですよ。私はニュージーランドで1年間生活したんですけど、そういう理念のもとで活動している団体の留学なので、当然ニュージーランドにも世界中から高校生が来ていて、たくさんディスカッションするわけです。

例えば、挨拶という1つのカテゴリーをとっても、フランス人はニュージーランド人の挨拶は素っ気なくていやだというし、アメリカ人もニュージーランド人ってシャイだよねっていいます。これに対してタイ人や日本人は、ニュージーランド人は馴れ馴れしくいきなり抱きついてきて気持ちが悪い(笑)とか思っちゃうんですね。

それぞれの生まれ育った文化によって感じ方が全然違うということを、ああ、そういうものなんだなと高校生の時から感じて、その異なる文化の中で自分の文化を代表して生きることの難しさや葛藤を知るというのはとても大事なことなんです。

海外に留学して日本の高校生が絶対にいわれるのは戦争のこと。第2次世界大戦の日本軍は最低だったと突きつけられるわけです。私の祖父は戦争で亡くなっているので、そんなこと言われて悲しい思いになりました。歴史ってそれぞれの国が、それぞれの国の基準で子どもたちに教えたい歴史を作っていると感じることがあります。正しい歴史というのは世の中に存在していなくて、その国にとって正しい歴史だけが存在しているというような。他国がどんな歴史を残しているのか、そこが理解できないと、自分が教わってきた歴史観と違うので、大バッシング、大ブーイングの対象になってしまうこともあります。

私も留学時代通っていたニュージーランドの学校の歴史の授業で「日本の現状はこうだったんです」という話をさせてもらう機会がありました。そうしたら、みんな分かってくれて、「ああ、そうだったんだ」という気づきがあちら側にも生まれてくるんですよね。だから、留学って“する側”も“受け入れる側”も異文化理解に大きなメリットがあると感じています。そして若い時の海外留学は大変だけど、異文化を体験し、違いを理解して尊重することこそが小さな紛争やいざこざの火を消していくものなのだということの大切さが体で理解できるようになるんです。

(第3話に続く)

 

続きを読む(第3話)>>>

 

秋沢淳子

株式会社TBSテレビ/株式会社TBSホールディングス

総務局 CSR推進部 部長、DigiCon6 Asia事務局 海外ディレクター

一般社団法人 Sputnik International
創設理事

公益財団法人 AFS日本協会
理事

ethica副編集長 萱島礼香

法政大学文学部卒。総合不動産会社に新卒入社。「都市と自然との共生」をテーマに屋上や公開空地の緑化をすすめるコミュニティ組織の立ち上げを行う。IT関連企業に転職後はwebディレクターを経験。主なプロジェクトには、Sony Drive、リクルート進学ネットなどがある。その後、研究機関から発足したNPO法人に参加し、街の歴史・見どころを紹介する情報施設の運営を担当した。2018年11月にwebマガジン「ethica」の副編集長に就任。

聞き手:ethica編集長 大谷賢太郎

あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2018年6月に文化事業・映像事業を目的に3社目となる「株式会社トランスメディア・クリエイターズ」を創業。

創業10期目に入り「BRAND STUDIO」事業を牽引、webマガジン『ethica(エシカ)』の運営ノウハウとアセットを軸に、webマガジンの立ち上げや運営支援など、企業の課題解決を図る統合マーケティングサービスを展開。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

ethica編集部

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