TBS秋沢淳子さん鼎談(第4話)持続可能な途上国アーティスト支援「ホワイト・キャンバス」
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TBS秋沢淳子さん鼎談(第4話)持続可能な途上国アーティスト支援「ホワイト・キャンバス」

TBS 秋沢淳子 Photo=Eijiro Toyokura ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

パシフィコ横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議2022横浜」(SB 2022 YOKOHAMA)に基調講演の1人として参加されたTBSの元アナウンサーで現在は総務局CSR推進部で部長を務める秋沢淳子さん。

社業以外でも2000年に国際交流・教育支援・国際協力をテーマにしたNGO団体「スプートニクインターナショナル」を設立しスリランカで積極的に活動するなど多方面で活躍されています。

そんな秋沢さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎、副編集長・萱島礼香がお話をお聞きしました。

【目次】 TBS秋沢淳子さん鼎談

(第1話)アジア最大級の短編映像フェスティバル「DigiCon6」

(第2話)Intercultural Programsで異文化体験留学

(第3話)NGO「スプートニクインターナショナル」を設立

(第4話)持続可能な途上国アーティスト支援「ホワイト・キャンバス」

(第5話)仕事とプライベートの両立

(第6話)グローバルとインターナショナルの違い

(第7話)留学経験が全ての起点

(第8話)やっぱり自分って食べ物でできている

寺田倉庫の元会長の中野善壽さんにプレゼン

萱島: 「ホワイト・キャンバス」の活動は2020年からとお聞きしています。その活動はどのようなところから生まれてきたのですか?

秋沢: 2000年にTBSが「デジコン6」というショートフィルムコンテストをスタートさせて、最初は私はTBSアナウンサーとして司会という形で参加していました。その中でアジア全域のアーティストを発掘していこうというのはいいことだなと思っていました。準備段階の会議に参加している中で、映像を作る時は必ず絵コンテを描くけど、いい映像にするためにはそれがとても大事なんだという話を聞いて、本当ならTBSが映像だけではなくアジアの絵画のコンテストもやったらいいのにということを話し合いました。ただ、TBSではあらたに“絵画コンテスト”はやりそうもないので(笑)、それじゃあとプライベートで仲間と相談して「ホワイト・キャンバス」という名前で絵画プロジェクトをやっていこうと決めたのが2020年でした。

大谷: なるほど。歴史的にはまだ新しい活動なんですね。

秋沢: そうなんですよ。19年の年末に寺田倉庫の元会長の中野善壽さんに、「今度こんなプロジェクトを始めたいんです」っと企画をプレゼンさせていただきました。中野さんは絵に関してすごく熱意を持っていらっしゃる方なので、私が一生懸命「ホワイト・キャンバス」の説明をしたらすぐに「それでいくらあったらできる? 1000万円くらいでできる? 取りあえず10年はやってよ」っとバジェットをつけてくださったんです。その決断のスピードに腰が抜けそうなほどおどろきました。

TBS 秋沢淳子 Photo=Eijiro Toyokura ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

そんなホワイトキャンバスですが、2020年にはタイ、スリランカ、カンボジアで900点近くの絵が集まって、去年2021年は2000もの応募作品が寄せられました。反響は大きいですね。もちろん今年もやりますよ。

スタートバーンプロジェクト

大谷: アジアの絵画のテイストっていいですよね。僕もリビングにアジアのアート(ライステラスの風景画)を飾っています。

秋沢: アジアのアーティストはまだまだ埋もれているし、特にカンボジアやスリランカなどでは道端で500円くらいで絵を売っています。ちょっと高いかなと思う作品を探すと相当いいものが買えるんですよ。

でも、才能が正しく評価されない事ってすごくもったいないし、道端で絵を売っている人の多くはその日暮らしのような生活をしている。まず、そういう才能を支えられたら!と考えました。そこで、私たちが見て本当に素晴らしいと思えるものを、まずは日本に紹介してそこから世界に紹介できたら、いつかきっとゴッホみたいな人が生まれる、それも画家が生きているうちに還元してあげられる仕組みができたらと思ったんですね。その時、中野さんがスタートバーンという会社を紹介してくださいました。

大谷: それが3つ目の「スタートバーンプロジェクト」というわけですね。全部がしっかりつながっていますね。

秋沢: スタートバーン社が作っているサートという技術は、絵の後ろに貼り付けるタグで、剥がすと無効になります。サートに携帯をかざすと作者のプロフィールや、なぜこの絵を描いたのか等を画家本人が語る動画が入っていて、絵の説明をしてくれるんです。それだけではなくて、最初はAさんが1万円で買いました。AさんがBさんに5万円で売りますよとなった時にAさんが得た利益の一部が画家に還元されるという仕組みになっています。

大谷: すごい仕組みですね。

秋沢: ええ。スタートバーン社と私たちは2020年に組んで「ホワイト・キャンバス」が始まった時からサートをつけて絵画を世に送り出しました。そうしたら、なんとその後にTBSがスタートバーン社に投資をしたんですよ。心のそこから「まじ?」と驚きましたし、面白い展開になったと思いました。

大谷: 会社が秋沢さんについてきたという感じですよね。たしかに面白いです。

(第4話に続く)

 

続きを読む(第5話)>>>

 

秋沢淳子

株式会社TBSテレビ/株式会社TBSホールディングス

総務局 CSR推進部 部長、DigiCon6 Asia事務局 海外ディレクター

一般社団法人 Sputnik International
創設理事

公益財団法人 AFS日本協会
理事

ethica副編集長 萱島礼香

法政大学文学部卒。総合不動産会社に新卒入社。「都市と自然との共生」をテーマに屋上や公開空地の緑化をすすめるコミュニティ組織の立ち上げを行う。IT関連企業に転職後はwebディレクターを経験。主なプロジェクトには、Sony Drive、リクルート進学ネットなどがある。その後、研究機関から発足したNPO法人に参加し、街の歴史・見どころを紹介する情報施設の運営を担当した。2018年11月にwebマガジン「ethica」の副編集長に就任。

聞き手:ethica編集長 大谷賢太郎

あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2018年6月に文化事業・映像事業を目的に3社目となる「株式会社トランスメディア・クリエイターズ」を創業。

創業10期目に入り「BRAND STUDIO」事業を牽引、webマガジン『ethica(エシカ)』の運営ノウハウとアセットを軸に、webマガジンの立ち上げや運営支援など、企業の課題解決を図る統合マーケティングサービスを展開。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

ethica編集部

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