電子書籍が一般化してきた時代、紙の本離れがますます進行しています。古本の市場規模も同時に縮小するなかで、たくさんの古本が廃棄されていますが、もちろんそれらは再生紙として生まれ変わります。そんな「古本のリサイクル」に新たな価値を付与しようと生まれたのが、その名も「本だったノート」。その誕生にはどんな背景があるのでしょうか。(記者:エシカちゃん)
バリューブックスが生んだ「本だったノート」
もう誰にも読まれなくなった本が、その後どうなるかご存知でしょうか?
古本としての価値がなく、店頭に並べられることのなくなった本は、一般に古紙回収に回されます。古本の買い取り、販売を行う株式会社バリューブックスには、毎日約2万冊の本が届きますが、そのうち実際に買い取ることができるのはその半分。残りの1万冊は古紙として回収されます。
もちろん、古紙回収された本は、その後新しい紙として生まれ変わり、再度利用されます。でも、そこにもっと新たな価値を生み出すことはできないか――。そんな思いで生まれたのが、「本だったノート」です。
「本だったノート」の最大の特徴は、かつては本だったことがわかる痕跡が残されていることです。
例えば、このノートには、「に」という文字が残っています。もちろん、ノートとして使用する際には邪魔になるかもしれません。でも、この「に」の文字からは、本だったときの作者やその読者、そしてノートになるまでの製作者たちの「本への愛」が伝わってきます。
環境にも優しい!「本だったノート」ができるまで
「本だったノート」になるのは文庫本です。これは紙の質を均等にして、ノートとなったときに質を安定させるためです。大量の文庫本は、巨大なミキサーで水と一緒にかき混ぜられ、ドロドロの液体状にされます。
さらに、再生パルプをそこに混ぜ込むことで、ノートとしての書き心地と強度を実現。その上、再生パルプは使用済みの牛乳パックなどから生成されるので、環境にも優しい素材といえます。
水は地下水を活用しており、また製作の過程で排出する汚水は、高度な排水処理を行うことで、魚が住めるほど綺麗な状態にして川に返します。
紙の乾燥には、機械から出る蒸気を使用。とことんエネルギーと資源を再利用する製造のあり方なんです。
また、印刷には廃棄予定だったインクを使用。さらに特定の色のみを指定して印刷するのではなく、グラデーション印刷を行うので、テスト刷りをする必要がなくなり、無駄紙の発生を抑えることができます。
グラデーションで印刷されたノートは、一冊一冊全てが違う色合い。エコでありながら、この世界で一冊だけのノートが楽しめちゃうなんて、一石二鳥ですね。
そんな「本だったノート」は、2022年8月27日(土)の全国一般発売に先駆けて、2022年8月14日(日)より、広島 蔦屋書店で先行独占販売中。エコな取り込みに参加しながら、世界で一つだけのノートを手にしてみてはいかがでしょうか。
【製品情報】
書名:本だったノート (ISBN:9784910865010 C0100)
抄造:山陽製紙
印刷:藤原印刷
デザイン:太田真紀
発行:バリューブックス・パブリッシング(株式会社バリューブックス)
発売日:2022年8月27日(土)
予価:880円(税込)
仕様:A6判(文庫本サイズ)、 並製、 128ページ
URL:https://store.tsite.jp/hiroshima/event/business/28094-1805360730.html
広島 蔦屋書店
住所:〒733-0831 広島県広島市西区扇2丁目1-45
電話番号: 082-501-5111
営業時間:8:00~22:00
ホームページ:https://manage.store.tsite.jp/hiroshima/
Twitter:https://twitter.com/hiroshima_tsite
Instagram:https://www.instagram.com/hiroshima_tsite/
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。
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私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
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