― モデレータ:では、志真さんはどうですか?
志真さん:私はもともとお肉をあまり食べない家で育ちました。社会に出て、百貨店で販売の仕事を始めたときに食生活がガラっと変わって、ガツガツ働くようになるとともに急にお肉を食べるようになりました。心と体に変化があらわれはじめ、これはなんだろうと思っているときにアシュタンガヨガに出会いました。アシュタンガヨガは、毎朝4時半とかに起きて練習するのですが、そうなると晩ご飯を食べたくなくなり、量を調整していったら、体がだんだん軽くなっていくことがおもしろくなってきました。そしてお肉、お魚、乳製品をやめると、体がどんどん軽くなるという情報を得て、菜食主義に興味を持つようになりました。でもそれを実行していたときは中身のない軽さに疲れる感じがして、マクロビオティックを勉強するようになりました。ヴィーガンも3年くらいやりましたが、体を軽くすること以上に色々な人と出会って食事を楽しんだり、東京に出回っているものを体に取り込みたいという思いに気づき、今は何でも食べます。私のなかでヨガと食事はシンクロしていて、ヨガで体を柔らかくすることだけが目的ではなく、みんなで楽しくやることが自分にとって大切だと今は考えています。
― モデレータ:では渡部さんは?
渡部さん:2003年にアメリカのシカゴでヨガのインストラクターの資格をとりました。その頃体調と心が少し下向きになってしまい、ぜんぶ変えないといけないんじゃないかと思い、食事もガラっとガチガチの菜食スタイルに変えました。帰国してから、心がガチガチに固くなり偏狭になっている自分に気付き、これは自分の目指した方向ではないと食に対する考えが変化し、再び色々なものを食べるようになりました。今は、肉であれ魚であれ野菜であれ、エネルギーを取り入れているのだから、頭で考えて決めつけたものではなく、今の自分の体に合ったエネルギーを取り入れるという観点で観ないとずれてしまうと思っています。だからこの野菜はどう育ったのか、大地はどういう状態だったのか、作り手の思いなど、すべてのつながりを踏まえてエネルギーの高いものを取り入れるようにしています。ヨガを実践することで見えない世界が観えるようになり、食べるという行為だけでなくその見えないつながりも大事なのだと思うようになりました。
― モデレータ:自然の法則に触れたということですね。山崎さんはいかがですか?
山崎さん:私は普通の食事をしています(笑)。今までこういう世界とは縁がなかったので、今日は新しい世界がひらけそうな気がしています。