(第47話)小さな畑をはじめました ー植え付け編ー【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
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(第47話)小さな畑をはじめました ー植え付け編ー【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

6月末から始まった、小さな畑のある生活。

 

前回は開墾作業を行いました。しばらく人の手が入っていなかったその場所は、草や笹の根がはびこり、シャベルでひとすくいするのも一苦労。

写真の通り8畳ほどのほんの小さなスペースですが、案の定、翌日には私も夫も全身筋肉痛に見舞われました。機械がなかったころの時代に生きていた人たちや、農を生業としている人たちの凄さを、ただただ身に染みて感じます……。

 

それでも、土に触れ淡々と作業する畑の時間は体に心地よい疲労感を与えてくれ、特に普段、自宅で延々とパソコンに向かって仕事している夫にとっては、心身ともに随分とリフレッシュできたようです。

さて、2回目の今回は畝立てと植え付けを行いました。

 

さあ畑をやるぞ! と気持ちは意気込んでいたものの、休日になかなか時間が取れず、仕事の合間を縫って夫と二人で畑に向かうことに。

 

その日は、真夏の割に、畑仕事をするにはほどよい感じの曇り空。

念のため向こう数時間の天気予報も確認し、これ以上お天気は崩れることはなさそうと安心して作業を始めたのもつかの間、突然バケツを引っくり返したような、どしゃ降りの雨が降り出しました。

中断しようにも、すでにびしょ濡れでどうしようもありません。

 

夫と「日頃の行いの結果かなぁ……」と苦笑するほかなく、けれど蚊にも刺されないし涼しいし案外悪くないかもね、なんて言い聞かせながら、水分を含んでますます重くなる土をシャベルですくい、畝立てのための溝を掘り進めたのでした。

畝立てを終えるころには、雨は小雨に。

季節はすでに7月と、夏野菜を植えるにはやや遅い時期に入ってしまっていたので、本格始動は秋以降とし、ひとまず友人から譲ってもらった苗と種を植えてみることにしました。

 

トマトとオクラの苗を1株ずつ。

種は、大豆とくらかけ豆という固定種の種に、前日の晩ごはんに食べたえびす南瓜の種を数粒、台所に芽が出てきていたさつまいもがあったので、先っぽを切って水につけツルを伸ばしたものを3つほど。

 

元々田んぼだった土地なので大豆類が比較的よく育つと教えてもらい、多めに植えてみることにしました。

まずは芽が出てくれるかドキドキ、楽しみです。

 

ちなみに肥料は、今のところ米ぬかや油かすを表土に少し撒くくらいに。土や作物が育つ様子を見つつ、農薬や化学肥料には頼らず、自然の恵みによって作物を栽培する自然農法の考え方をゆるやかに取り入れていけたらいいなと考えています。

植える時期や天候など、自然の条件に大きく影響を受ける野菜作り。

 

今の時代、当たり前のようにスーパーに行けば欲しい物が手に入るけれど、それって実は当たり前ではないことを畑仕事は気づかせてくれます。

あらためて、実際に自分の手や体を動かしてやってみることの大切さを感じました。

 

まだ始まったばかりの畑作り。

知識も経験も十分でない私たちではありますが、畑での時間を通じて食べること、生きることとの向き合い方を少しずつ見直していきたい、と思います。

今回の連載は如何でしたでしょうか。バックナンバーはこちらからご覧頂けます。

【連載】かぞくの栞(しおり)

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

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