新企画「あなたにとってウェルビーイングとは何か」を担当します永島郁哉と申します。早稲田大学大学院で社会学を研究しながら、休日には古着屋に行ったり小説を書いたりします。
この連載は、ストレス社会に生きる私たちが、ふと立ち止まって「豊かさ」について考えるきっかけとなる、ささいな休憩所のようなものです。皆さんと一緒に、当たり前だと思っていた価値観を一つ一つほどいていく作業が出来たらと思います。
新企画「あなたにとってウェルビーイングとは何か」を担当します永島郁哉と申します。早稲田大学大学院で社会学を研究しながら、休日には古着屋に行ったり小説を書いたりします。
この連載は、ストレス社会に生きる私たちが、ふと立ち止まって「豊かさ」について考えるきっかけとなる、ささいな休憩所のようなものです。皆さんと一緒に、当たり前だと思っていた価値観を一つ一つほどいていく作業が出来たらと思います。
この世界には、いわゆる「○○の前と後」と形容されるような出来事があります。例えば、「戦争の前と後」とか「活版印刷の前と後」、「インターネットの前の後」などです。これらに共通するのは、その出来事によって世界が全く別のものになった、ということです。
こう言うと思い出すのは、The Beatlesです。ビートルズの登場で、世界の音楽がどれほど変わったか、世界中のあらゆる名曲にビートルズの影響を見ないほうが難しいくらいです。馴染みのない人は全くピンとこないかもしれませんが、それくらいビートルズというバンドは世界に影響を与えました。
アビーロードにて
「前よりも少しだけイイ世界」というテーマでビートルズという例を出すのは適切ではないと思うかもしれません。世界にこれだけの影響を与えた人たちを紹介しても、私たちは彼らになることはできないからです。ところが、ギタリストのジョン・レノンはとても面白い言葉を残しています。
“Life is what happens to you while you’re busy making other plans.”
「人生、あれこれと考えているうちに予期せぬことが色々と起こるものだ」
これは、「Beautiful Boy」という曲の歌詞の一部です。曲名にある「Boy」とは、自身の息子、ショーン・レノンのことで、人生の教訓を息子に優しく語りかけている曲です。
彼ほど世界にインパクトを残した人物が、「予期せぬことが色々と起こる」と言うのはなぜでしょうか。「気づいたら世界を変えていた」というような、天才にありがちな傲慢さでしょうか。
ビートルズのベストアルバムを想起させる扉。ロンドンにて
私はむしろ、ここに「世界を良いものにする」真のエネルギーがあるように感じています。「世界を少しでも良いものにする」という目標はあまりに壮大で、何かにつけて、私たちはそれにひるんでしまいます。でも、マラソンで最初から 42.195キロ先のゴールのことだけを考えて走っている人はいません。きっとほとんどの人は、沿道の花が綺麗だとか、隣の人が面白い走り方をしているとか、そんな些細なことを考えて走るはずです。それと同様に、あれこれと意気込んでいながらも、まったく予期していなかったことにてんてこ舞いになりながら、あくせく進むことが人生でしょう。
ジョン・レノンだって、最初から世界を変えようとは思っていなかったはずです。地元のライブハウスに出るとか、アルバムを作るとか、そういったことをあれこれ考えてやっているうちに、気づけば予期せぬことを達成していたわけです。だから私たちも、肩を張って、常に目標を見据えて行動するよりも、ある程度予期しない出来事に翻弄されながら生きているほうが、大きな物事を達成できるのかもしれません。
「世界を少しだけ良いものにする」とは、「気づいたら世界を変えていた」というライトさで達成されるのかもしれませんね。
今回の連載は如何でしたでしょうか。バックナンバーはこちらからご覧頂けます。
永島郁哉
1998年生まれ。早稲田大学で社会学を学ぶ傍ら、国際学生交流活動に携わる。2019年に公益財団法人イオン環境財団主催「アジア学生交流環境フォーラム ASEP2019」に参加し、アジア10カ国の学生と環境問題に取り組んだ他、一般社団法人アジア教育交流研究機構(AAEE)では学生スーパーバイザーを務め、ベトナムやネパールでの国際交流プログラム企画・運営を行っている。2019年9月より6か月間ドイツ・ベルリン大学に留学。
——Backstage from “ethica”——
今回の連載は、読者対話型の連載企画となります。
連載の読者と、執筆者の永島さんがオンラインオフ会(ZOOM)で対話をし、次の連載の話題や企画につなげ、さらにその連載を読んだ方が、オンラインオフ会に参加する。という形で、読者との交流の場に育てていければと思います。
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