――本社は京都にありますが、京都に本社を構える魅力はどんなところにありますか。
京都は比較的狭い地域に関連企業が多く集まる「産業集積」が進んでいます。そのため、サプライチェーンを構築するのに最適な場所だと考えています。これは、京都ならではの強みです。
また、職人気質が根付いていて「ほかにないものを作り出す」という雰囲気があります。京都では、織物や手工芸に代表されるように、「分業制」による丁寧なものづくりが古くから行われてきました。実際に、当社のサプライチェーンにおいても、ものづくりに丁寧に向き合う会社が多いです。
当社の主要製品のひとつとして、国際宇宙ステーションの電源や気象衛星、潜水艦用のリチウム電池があります。いずれも丁寧なものづくりが求められるものばかりで、「京都だから製品を生み出すことができる」と考えています。ここにも京都に本社を構える大きな意味があります。
――海外から見ると「日本のものづくりは丁寧」というイメージが強いです。
製品の角や端の部分など、見えない部分にも細心の注意を払っています。目に見えないような傷がひとつあるだけで、製品として市場に出すことができません。その意味では「ビジネスモデルで成功しても量産化で負ける」という弱点があります。今後は、丁寧なものづくりを大切にしながら、量産化についても対応していきたいですね。