京都で事業を展開する強み
――京都で事業を展開する強みは、どんなところにありますか。
京都では、さまざまな要素が複合的に組み合わさって、独自の感性が生まれてきました。多種多様な分野の融合や調和が新しい創造の源になっています。地理的に見れば、京都は盆地で山に囲まれていて、だからこそ、優れた企業が集積しているともいえます。都市機能が集約されているので、さまざまな連携がしやすいという特徴があります。
また、京都には全国から優秀な学生が集まってきます。卒業後は京都で仕事に就く学生も多く、当社にも京都の大学を卒業した学生がたくさん入社しています。これは、京都に先端技術を有する企業が数多くあることにも大きく関わっています。
さらに、京都には産学連携の風土があり、イノベーションや新規産業の創出に対する支援体制が整っています。その意味では、チャレンジしやすい地域なのではと考えています。人が集まってくるということは、それだけの魅力があるということ。これほどの魅力を持つ都市は、ほかにはないのではと思っています。
――今後、京都発で展開したいこととは。
私たちの経営理念は、「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」です。現在の中期経営計画の取り組みのひとつとして、グローバル事業の推進を掲げています。当社では1990年頃から海外拠点の設立を進めており、一定の成果を上げることができました。先程お話しした核酸医薬品は、次世代の医薬品ともいわれています。治療が難しい症状の改善に貢献しており、これを世界中の患者さんに届けたいと思っています。現在の海外の売り上げ比率は約30%ですが、できるだけ早い時期に50%に到達させることを目指しています。そのためにも京都から海外に向けて積極的に展開していきたいと考えています。