「Honey&Coral Project(ハニー&コーラルプロジェクト)」とは、恩納村が取り組むサンゴの保護活動のひとつで、蜂蜜(ハニー)とサンゴ(コーラル)の名前を冠したプロジェクト。恩納村役場と、先ほどのクマノミでも紹介したOIST(沖縄科学技術大学院大学)がミツバチを使って農地から流出する赤土等からサンゴ礁を守る新たな共同プロジェクトです。
沖縄には粒が細かいのが特徴の赤土と呼ばれる土壌があり、沖縄で良く見る赤い瓦屋根もこの赤土でできているものになります。赤土はドラゴンフルーツなど、独特な作物が土地として恩恵をくれる一方で、雨が降った時に海に流れ出るとそれが海の中へ降り注ぐ日光を遮って光合成ができなくなってしまったり、サンゴに粘土状に覆いかぶさることで害を与えるなど負の面もあるのが実際のところです。
そうした事実から、沖縄には「沖縄県赤土等流出防止条例」があり、開発事業からの赤土が流れ出てしまわないような対策が推し進められているのですが農地への適用がなく、農業では農家自身で対策を行っています。その対策手法として、ベチバーというインド原産のイネ科の植物をグリーンベルトとして植付をしたり、ひまわり等の花を咲かせる植物を緑肥として畑周辺に植え付けを行います。赤土が露出してしまっている大地をグリーンベルトベチバーや花々が防波堤の役割を果たすことで赤土の流出を防ぐことができるのです。
そして、ここにミツバチも関わってきます。この対策がされた畑の周辺で養蜂を行い、これらの花を蜜源としたハチミツを採取することで、農家は副収入を得て持続的な対策費を捻出できます。養蜂を副業としてベチバーや花を植えその管理をすることで赤土の流出を防ぐことができ、さらにベチバーは刈り取ってから、麦わら帽子やリース、しめ縄やアクセサリーなど、さまざまなプロダクトを制作することで、それがまた収入源にも。