持続可能なチョコレートの実現を支える「メイジ・カカオ・サポート」の歴史 Meiji Cocoa Support Story Presented by Meiji Holdings
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持続可能なチョコレートの実現を支える「メイジ・カカオ・サポート」の歴史

私たちの生活にも身近で愛好家もたくさんいる甘くて美味しいチョコレート。バレンタインシーズンには何万円も注ぎ込んで自分のためのご褒美チョコを大人買いする、なんてこともここ数年では珍しくない話です。しかし、私たちが日々享受しているそんな甘いチョコレートの裏では、その原材料となるカカオの生産地で今なお、貧困、児童労働、森林伐採など、未解決の苦くて深刻な課題が多くあることはご存知の方も多いでしょう。チョコレートでお馴染みの「明治(meiji)」は、そんなカカオ生産地で起きている社会課題を解決するべく、2006年から独自のカカオ農家支援活動「メイジ・カカオ・サポート」を行なっています。その支援はどのようなものなのか、これまでの活動の流れとこれからの展望を詳しくご紹介していきます。

自分たちのチョコレート作りを根本から疑う

そのきっかけは、カカオ豆の品質調査のためにカカオ産地を訪問したことに始まります。それまでの明治は、取引業者を介してカカオ豆を購入しており、自分たちが現地を訪れることはあっても、それはあくまでも産地を確認するための短期滞在でしかありませんでした。

しかし、将来的に長期にわたってチョコレートを生産していくことを考えたときに、これからの社会において、ただ出来上がったカカオ豆を購入するだけでいいのだろうか?もっと自分たちが作りたいチョコレートのために、自ら積極的に現地に赴いてカカオ豆づくりから携わるべきなのではないか?と社員たちは考えるようになったのです。そうして発足したのが「カカオ基礎研究グループ」。これがのちの「メイジ・カカオ・サポート」のさまざまな活動に繋がることになるのです。

カカオ豆の主な産地に該当するのは西アフリカのガーナや南米のベネズエラ、エクアドル、ペルーなど。そうした産地に直接足を運んで目にしたのはカカオ農家のあまりにも厳しく不安定な生活の現状でした。農地に不可欠な水を供給する灌漑(かんがい)の設備がない。さらにガーナでは、水道、電気、ガス、道路などの基本的な生活をおくる上での基盤となるインフラさえも整っていないところも多い。そこに広がるのは持続可能からはあまりにもかけ離れている農家の厳しい現実です。このままではカカオの生産は安定しないし、企業としてもチョコレートを作ること自体が危ぶまれる……。この産地訪問が契機となり、カカオ農家への支援を行いながら持続可能なチョコレート作りをしていく明治の方針が決まりました。そうして2006年に「メイジ・カカオ・サポート」がスタートするのです。

インフラもない、理解も得られない、厳しい現実からのスタート

しかし、自分たちがどれほど熱意を持っていたとしても、国も文化も価値観も大きく異なる異国での支援は単純ではなく、すぐには上手くいきません。現地で働く農家の人たちの、日本人とは違う「仕事」の捉え方に苦労します。例えばベネズエラでは、農家を回って自分たちがカカオ豆づくりの環境を良くするためにきたと説明しても、「自分たちは困っていない」と聞く耳持たず、生産性が上がれば暮らしが楽になることを伝えても、「そんなに一生懸命働いても働かなくても結果は同じだ」、「日本人の力なんて必要ない!」と理解をしてもらえない……。自分たちのやり方が通用しないことを痛切に感じながらも、現地で一緒にカカオ豆づくりをすることはお互いにとって必ず未来を照らすチャンスになると信じ、諦めずに説得を続けます。

日本市場でのカカオ豆の使われ方をはじめとして、カカオ豆からどのようにチョコレートが出来るのか、それがどのくらい美味しくなって、その価格がどのくらいのものになるのかなどを丁寧に説明し、実際に自分のカカオ豆だけで作ったチョコレートを食べてもらう……。するとカカオ農家の人たちもその美味しさと喜びで思わず笑顔に!そうやって社員たちの努力と熱意は少しずつ形となり手応えとなって、実に100軒もの門を叩いたのち、半分以上の農家と共にカカオ豆づくりをすることになったのです。農家の方々と一緒にカカオ豆の発酵方法について何度も何度もテストを繰り返し、より美味しくなる方法を一緒につくり上げるなど、豆そのものの品質向上に繋がっています。

さらには、明治にとって重要なカカオ産地の一つであるガーナでは、まず最初に行ったことは、村の人々がなによりも求めていた井戸の設置です。ガーナでは、水道普及率が低く、生活用水を得るために女性や子どもたちが数キロ離れた川まで、何往復もしながら水を汲みに行くのが日課でした。そんな現状を改善するために実施した井戸の寄贈。

井戸から初めて水が汲み出された瞬間

言葉も文化的背景も違う国では時間感覚にもズレがあり、工期の遅れ等に悩みつつも目的を達成し、その後もマラリア感染を防ぐための蚊帳や、カカオの苗木、肥料や農薬などの農業資材の寄付など、次々と支援を広げていきます。

ガーナのアセラワディ村に念願の小学校を建設

その後、日本の外務省のODA(政府開発援助)の枠組みである「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を活用して、小学校の建設にも着手します。粘り強い働きかけを経て、2013年に明治のガーナ産カカオ豆購入地域であるアセラワディ村に念願の小学校が完成します。寄贈した机、椅子、黒板といった備品が教室に運び込まれると子どもたちは大喜び!

寄贈した備品に喜ぶ子どもたち

引渡式には在ガーナ日本大使館、教育庁などを含め多数の人々が参列する中で明治の役員も出席し、ガーナ産カカオの重要性や、明治とアセラワディ村の人々とのさらなる強い結びつきなどが述べられ、万雷の拍手が鳴り響きました。それから先も、子どもたちに絵の具やクレヨンを使ってカカオをテーマに絵を描いてもらう「アートクラス」や、自分の村で収穫されたカカオを使ってチョコレートを作る「手づくりチョコレートクラス」を開講するなどをしてサポートを続けます。

カカオをテーマに絵を描いてもらう「アートクラス」

カカオを使ってチョコレートを作る「手づくりチョコレートクラス」

学校に通う子どもたちの親の大半はカカオ農家で、多くの子どもたちはゆくゆく家業を継ぐことにもなることが予想されます。いずれ自分が深く関わることになるかもしれない生活の糧となるカカオのことをもっと知って好きになってほしい。そのような思いがクラス開講には込められているのです。

また、子どもたちを学校に通わせることはもう一つ、児童労働を無くすという課題にアプローチする側面もあるのです。全ての産地ではなくとも、少なくとも何処かの産地の一部では今も子どもたちが学校に行けずに長時間労働を強いられたり、身体的な危険にさらされたりしているのです。

そうした現状を受け、2002年には西アフリカのカカオ栽培における児童労働・強制労働撲滅を目的として、国際的なチョコレートメーカーや多様な国際機関によってNPO「International Cocoa Initiative(ICI)」が設立されました。ICIの開発による、現地パートナーと協力して行う児童労働監視改善システム(CLMRS※)もスタートし、監視システムで特定されたリスクのある子どもたちの危険な児童労働が50%削減されるなど、着実に成果を上げていっています。

現在のカカオ生産地を視察

2024年、初めてガーナ視察に訪れた明治ホールディングス コーポレートコミュニケーション部 山下舞子さんは、ともすれば日本でラグジュアリーに消費されているチョコレートと、インフラも整備されていない生産地とのあまりにもかけ離れた環境の違いに大きな隔たりを感じ、自分の目で見てみないと分からないことがあるという事実に気付かされたと言います。

カカオ生産地(山下舞子さん撮影)

カカオ生産地(山下舞子さん撮影)

しかし、そんな中でも救いだったのは、現地の子どもたちのキラキラ輝く瞳と、眩しい笑顔。チョコレートクラスで楽しそうにしている子どもたちの様子は、児童労働や強制労働といった悲壮さのイメージをかき消してしまうような明るさに溢れていたのだそうです。

これからの未来のために “meiji makes chocolate. meiji makes wellness.”

約5300年前からエクアドルで栽培され、今日まで悠久の時の歴史を持つカカオは、学名をテオブロマ・カカオ(「神々の食べ物」)と名付けられ、砂糖やスパイスと同様に帝国に求められるなかで奴隷労働と搾取という負の歴史も刻んできました。未だに解けないままであるその楔を断ち切らなければならないということは、私たち現代の皆にある共通の感覚ではないでしょうか。1926年に「明治ミルクチョコレート」を発売して以降、市井の人々に寄り添ったチョコレートブランドとして確固たる地位を築いてきた明治が、本当の美味しさとは味わいだけではなく、生産者や生活者、チョコレートの周りにいるすべての人が幸せであることとして、今後もこの取り組みをより多くの国と地域に拡大していく展望には期待が持てます。

実際に、meijiのそういった想いが存分に反映された「明治ザ・カカオ」や「アグロフォレストリーミルクチョコレート」などのアイコン的な商品も登場し、その美味しさとコンセプトに今日では多くの人が共鳴しています。

カカオ豆がもつ個性を存分に発揮できるように何度も農家の方々と試作を繰り返してつくり上げた明治独自の発酵技術を活かしたカカオ豆を使ったチョコレート。

これからもチョコレートを心から美味しくいただいていくために私たちが出来ることの一つは、手に取る商品の背景を考えてみること、そして、社会全体を良くすることにつながる商品を選択していくことという、小さいけれども確かな一歩にあるのだと思います。

meiji makes chocolate. meiji makes wellness.”

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私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

ethica編集部

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