2014年11月6日。京都府が観光客誘致と地域活性化のために、「音楽」と「映像」で発信する『もうひとつの京都、行こう。』キャンペーンをスタートさせました。特徴的なのは、寺社仏閣、祇園といった誰もが知っている古都京都ではなく、山や海の自然にそこで生活を営んできた人々のぬくもり、地産地消の味覚などひと味違う府内の様々なエリアにスポットをあてていることです。
キャンペーンの目玉は、世界的バイオリスト・葉加瀬太郎さんと、女優・本上まなみさんの協力で作成された3篇のショートムービー。そのお披露目会見が、同日に東京・汐留の「スペースFS汐留」で行われ、おふたりと山田啓二京都知事が列席のもと上映されました。このムービーは即座にネット上で公開、誰もが視聴できるので、幅広い層にまだ知られていない京都の魅力をあまねく伝える役割を果たすことに期待が寄せられています。
ムービーは、本上さんが妻を演じる結婚10年目を迎えた夫婦が、旅先の京都で喧嘩。別行動を取るところからスタートします。妻が「お茶の京都篇」で宇治などの南部エリア、夫が「森の京都篇」で亀岡や丹波などの中部エリアをそれぞれ訪ね、宮津や伊根などの北部エリアは、「海の京都篇」として、仲直りしたふたりが寄り添うストーリーとなっています。
ショートムービーのお披露目後には、おふたりと知事が壇上に並び、トークショーが開催されました。
山田知事: 葉加瀬さんと本上さんのご厚意によって、著名な京都だけではなく、知られざる京都の魅力も国内外に発信することができ、大変誇りに思います。ありがとうございました。
―葉加瀬さん、本上さん、ともに京都にゆかりがあるのですよね。
葉加瀬さん: 母が大原の出身で、幼少時代を祖母の家でよく過ごしていました。ムービーに出てきた美山のかやぶき家のような建物でしたね。自然と触れ合って過ごす田舎暮らしが楽しかったんです。
本上さん: 私は関西の出身で、短大生時代を京都で過ごしました。実は昨年4月に、一家で京都に移住してきたんです。野山を駆け回るような生活を幼い子どもたちにさせたいということで夫婦の意見が一致して…。自然が豊かなのが京都に決めたいちばんのポイントでした。
―おふたりがお勧めの『もうひとつの京都』はどこでしょう?
本上さん: 自分がまだ小さな頃に、海水浴やキャンプで訪れた「海の京都」でしょうか。きれいな海が多くて、魚介も美味しい。そういえばもうズワイガニの解禁ですね(本日6日がまさにそう)。今回の撮影で初めて訪れた「お茶の京都」も素晴らしかったです。天に向かって緑の茶畑が伸びていくような光景が息を呑むほど美しくて。ぜひみなさんに見に行っていただきたいと思いました。
葉加瀬さん: 子どもの頃の大原のイメージが強くて、やはり「森の京都」になってしまいますね。山道を抜けた先に大原の里を認めたときは、今でも感動します。もちろん三千院のたたずまいなども素敵なのですが、まずは里山の風景。私にとって匂いも大切で、「紫蘇」「山椒」「茗荷」の香りがイコール京都なんですよ(笑)
―本上さん。ムービーのために葉加瀬さんが作られた曲はいかがでしたか?
本上さん: 撮影前にお聞きしたのですが、メロディーが胸の奥にまで届いてくる感じがして、ノスタルジックな印象を受けました。ロケ先の原風景とも見事に溶け合っていて、いつまでも余韻に浸れる曲だと思います。
葉加瀬さん: ありがとうございます。すごく自分の中ではイメージがしやすくて、すっと書けた曲でした。私はもっと景色中心のムービーになるのかと思っていましたが、その中に緻密なストーリーが織り込まれていて…その見事さに感動しましたね。
―最後に葉加瀬さんが作られたこの3つの楽曲で大事なお知らせがあるそうですが。
山田知事: はい。今月(11月)いっぱいで、一般の方からこの3曲それぞれの曲名を募集します。世界の葉加瀬さんの曲に名前を付けられる機会なんてなかなかあることではないですから、ふるってご応募いただきたいですね。
葉加瀬さん: いえいえ最近ボキャブラリーが尽きてきていて、タイトルを考えていただければ大変助かります(笑)
―本上さん、山田知事。それぞれもし「お茶」と「森」に付けるなら?
本上さん: 即興は厳しいですね(苦笑) 例えば(お茶の注がれたグラスをかざして)、「黄緑の風」とか。
山田知事: 言葉遊びで「好京曲森」かな。ちょっと恥ずかしいですね。
―ありがとうございます。タイトルを選ぶのは葉加瀬さんご自身だとか。素敵なタイトルが集まってご苦労されそうですね(笑)。本日はお疲れ様でした。
葉加瀬太郎さん楽曲提供、本上まなみさん主演の観光PRショートムービー本日公開!
【開始日】平成26年11月6日(木)
葉加瀬さん作曲の楽曲名募集も、同時スタート!
【キャンペーン期間】 平成26年11月6日(木)~11月30日(日)
ーーBackstage from “ethica”ーー
「侘び寂び」「豪華絢爛」といったこれまでの京都の印象が、まさにがらりと変わるキャンペーン。気の遠くなるような長い時間で育まれてきた自然や文化、そして人のつながり…。『もうひとつの京都』は、もっと身近に感じられて、継続的な魅力で私たちを虜にしてくれそうです。何はともあれ、まずは3本のショートムービーを。すべてはそこから始まります。
記者:とがみ淳志(とがみあつし)64年大阪府吹田市生まれ。神戸大学経済学部(国際経済学科)を卒業後、88年株式会社リクルート入社。海外旅行情報誌「エイビーロード」の営業および制作、93年には結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊を担当。「ゼクシィ」の多角的運営に携わった後、99年に退社後フリーに。編集、プランニング、ライティングを行う。現在は、食、旅、酒、温泉、別荘、住まいなどの分野が中心。2008年10月より「日本旅のペンクラブ」会員に。2011年11月より理事就任。情報誌や雑誌、機内誌およびホームページなど幅広い媒体を手がけている。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)〜
http://www.ethica.jp