東京ミッドタウン・デザインハブでは、第55回企画展「デジタルメディアと日本のグラフィックデザイン その過去と未来」を1月29日~2月14日、東京ミッドタウンで開催します。
過去から未来へ「デジタルメディア」と「グラフィッ クデザイン」の関係を振り返る
この展覧会は、計算を主な技法としたグラフィックス、インターネットなどのデジタル環境を活動の場としたデジタルメディア作品で構成されるもの。そこでは現在までのコンピュータとグラフィックデザインの関係を、プレデジタルメディアの時代(70年代以前)、CGの時代(80年代)、マルチメディアの時代(90年代)、ウェブ広告の時代(00年代)に分け、コンピュータを道具ではなく環境、あるいは素材として制作された先駆的な作品を集めて紹介します。
また同時に、人工知能の発達が爆発的に伸び予測不可能になるといわれている未来モデルの限界点、シンギュラリティの時代(2045年以降)を近未来ととらえ、コンピュータと人間の将来を見据えた作品や研究も紹介します。
プレデジタルメディアの時代(70年代以前)
エンジニアやアーティストがみつけた計算のかたち
CGの時代(80年代)
コンピュータでしか描くことのできない絵や映像の発明
マルチメディアの時代(90年代)
パーソナルコンピュータがつくったインディペンデント・メディア
ウェブ広告の時代(00年代)
ネットとリアルを往来した広告の冒険
シンギュラリティの時代(2045年以降)
人工知能の発達によって予測不可能になるといわれている未来モデル
デジタルメディアと日本のグラフィックデザイン展によせて(JAGDAインターネット委員会)
1960年代中ごろ、日本のコンピュータ・グラフィック表現が産声を上げました。それは同時に、コンピュータとデザインにまつわるさま ざまなものごとを考えはじめたときでもありました。そこから半世紀を経た2016年初頭、私たちはもう一度グラフィックデザインとコン ピュータについて考えてみようと思います。 指を折って数えることをデジットといいます。説明するまでもないデジタルの語源です。数えることは、無段階の音を音階にわけていくよ うな、無数の色に名前をつけていくような、そういった創造のはじまりでもあります。コンピュータは私たちにデザインする手足ではなく、 デザインを考えるチャンスを与えてくれました。「今」や「ここ」ではない彼方から、再び数えることの旅をはじめたいと思います。
企画概要
名 称:東京ミッドタウン・デザインハブ第55回企画展 「デジタルメディアと日本のグラフィックデザイン その過去と未来」
英文名称:Tokyo Midtown Design Hub 55th Exhibition: Digital Media and Japanese Graphic Design ‒Its Past and Future
会 期:2016年1月29日(金)~2月14日(日)11:00‒19:00 会期中無休・入場無料
会 場:東京ミッドタウン・デザインハブ (東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F)
主 催:東京ミッドタウン・デザインハブ
企画運営:公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)
内容・構成
日本のグラフィックデザインとデジタルメディアの変革を年表に し、各年代の代表作品をパネル、モニター、実物で展示します。 また、核となる出品作家のインタビュー映像も上映します。テクノロ ジーの進化によって変化してきた、さまざまなデバイスもあわせて ご覧いただけます。シンポジウムでは、デジタルメディアとグラフィッ クデザインの関係について振り返りながら、シンギュラリティの時 代にデザインはどうなっていくか、未来について考えていきます。
展示作品
JAGDAインターネット委員会で選出した、個人・企業・美術館所 蔵作品
インタビュー映像
幸村真佐男、田中良治、東泉一郎、藤幡正樹、暦本純一 (敬称略・五十音順)
作品作家
荒木経惟、出原栄一、imaginative inc.、エキソニモ、金子國義、 川野 洋、川村真司、久保田晃弘(ARTSATプロジェクト)、 グレッグ・ベア、幸村真佐男(CTG)、ジョン前田、下村千早、 庄野晴彦、田中一光、田中耕一郎、田中良治、勅使河原一雅、 永原康史、中村至男、中村勇吾、西村佳哲(センソリウム)、林 智彦、原田大三郎、東泉一郎、P-House、藤幡正樹、 藤本由紀夫、松本弦人、矢島文夫、RADICAL TV、るじるし、 暦本純一、脇田 玲 ほか予定(敬称略・五十音順)
ーーBackstage from “ethica”ーー
インターネットを通して誰もが繋がれる仕組み、溢れる情報の数々。モノ・コト・ヒトが世界に行き交う現代社会にあって、ethicaのスタンスは「十分議論していこう」ということ。
たしかにデジタルは便利なツールですが、何も最先端のデジタルが必ずしも素晴らしいというわけではありません。そこには十分な議論が必要です。デジタル偏重の今だからこそ、改めて、日本のコンピュータ・グラフィックの発祥や歴史を学んだ上で、デジタル環境に向き合ってみてはいかがでしょうか?(ethica編集長:大谷賢太郎)
記者 清水 一利(しみずかずとし)
1955年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部(史学地理学科日本史専攻)を卒業後、1979年、株式会社電通PRセンター(現・株式会社電通パブリックリレーションズ)に入社。クライアント各社のパブリシティ業務、PRイベントの企画・運営などに携わる。1986年、同社退社後、1987年、編集プロダクション・フリークスを主宰。新聞、雑誌(週刊誌・月刊誌)およびPR誌・一般書籍の企画・取材・執筆活動に従事。2012年「フラガール3.11~つながる絆」(講談社)、2013年「SOS!500人を救え~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)を刊行。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp