エシカルジュエリーから“パーペチュアルジュエリー”への昇華 【対談】白木夏子さん
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エシカルジュエリーから“パーペチュアルジュエリー”への昇華 【対談】白木夏子さん

エシカルの概念をジュエリーにもたらし、多くの共感を呼んだ話題ブランド「HASUNA(ハスナ)」。創業から8年経った現在、新たなコンセプトに“パーペチュアルジュエリー”を掲げた想いをCEOの白木夏子さんに、『ethica(エシカ)』編集長の大谷と筆者(小田亮子)が詳しいお話を伺いました。

大谷: 白木さんの独占インタビューは今回が2回目となります。前回は、白木さんの起業ヒストリーや、白木さんのエッセイ「女(じぶん)を磨く言葉の宝石」(かんき出版)」について取材させて頂きました。
今回は、「HASUNA」の新しいコンセプトについてお伺いできればと思います。

白木さん: 「環境や社会に配慮した、いわゆるエシカルなビジネスを始めたいと考えてたどり着いたのが「HASUNA」です。美しいジュエリーから、搾取や貧困など負の現実を排除して、途上国のパートナーという立場でサポートしながらビジネスを成功させれば、世界は変えられると。その想いを継続しつつ、今はもう一つステップアップする時期にきていると思っています」

大谷: 2009年4月1日に創業されていますので、創業8年目となりますね。企業の成長ステージは、時系列で①シード(準備)、②スタートアップ(起業)、③アーリー(起業から5年間)、その後、④ミドル、⑤レイターの5つステージに進んでいくといわれます。会社の風土やブランドを作る上で重要な時期を経営者として振り返ってみていかがでしょうか?

白木さん: 「試行錯誤の8年でした。創業と同時にオンラインショップをオープン、2年目に南青山に本店をオープンさせ、3年目に名古屋に2号店、新宿伊勢丹に3号店をオープンさせました。3年でやっと店舗としての形が整った感じです。次に、人事がまわりはじめ、ようやく企業としての体裁が整いました」

大谷: 「HASUNA」はスタッフもきびきびとして、少数精鋭のイメージですよね。

白木さん: 「創業当初は学園祭のような雰囲気で楽しくもあり、がむしゃらに仕事をしてきました。ですが、従業員が10人を超えたころに組織運営を見直しました。CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)の3名を中心に、組織づくり、お金の流れ、日々のオペレーションなどが滞りなく回るよう、適材適所で人材を最大限に活かすことを目指しました。とくにCEOである私は、5年後、10年後の「HASUNA」の姿を模索し提示し続ける責任があると感じています」

大谷: スタートアップからアーリーの時期をぬけて、組織作りは完了といったところでしょうか。

白木さん: 「現在は、オペレーションやお金の事はある程度任せられるので、新規事業や海外展開など私は私のやるべきことに邁進しています。また、スタッフには女性が多いですので、もっと女性が働きやすい環境を作りたい。個人のやりたいことが実現できる会社を目指していますので、トップダウンにイエスだけで応えるのもNGです。一緒に考えながら組織をより良くしてくれる人材を大切にしたいです」

大谷: 「HASUNA」は創業8年というタイミングでリブランディングをされて、“パーペチュアル(永続性)”と“デザイン性”をより高められたと伺いしました。このタイミングでリブランディングされた背景を聞かせてください。

白木さん: 「親から子へ、子から孫へと永く使えるジュエリーであるということが重要だと思いました。永続的に使いたい、受け継ぎたいと思えるものには、品質の良さと優れたデザイン性が欠かせません。また、エシカルな調達、製造過程も欠かせないひとつのエッセンスになります。洗練されたデザインに、“パーペチュアル”というメッセージを込めて、『モノを買う』から『モノの背景にあるコト』に共鳴するという喜びや幸せを提供できればと」

大谷: まさに、エシカルジュエリーから“パーペチュアルジュエリー”への昇華ですね。人や環境へ配慮を包括する形で、「絶え間ない」「永続する」という意味を加えられています。この2つの意味をブランドの概念として強めた想いとは?

白木さん: 「私たちの手に届くその瞬間までのストーリーを、すべて美しく語ることができる、祝福されたジュエリーであること。それが本質的に美しいジュエリーだと考えます。時代が変わっても愛され続ける普遍的な美しさ。それが「HASUNA」の目指すジュエリーです」

小田: 今回発表された新作にはどれも素敵なメッセージが込められていて、デザインはシンプルですが印象的ですね。

白木さん: 「ゴールドや天然石など、素材の良さを活かしてデザインしています。とくに、まっすぐなラインが特徴の【Signature】は、意思のある美しさを表している「HASUNA」を象徴するコレクションです。年齢を重ねても飽きずに愛用できるデザインなので、ファーストジュエリーとしてもおすすめです」

小田: 白木さん自身はプライベートでよく宝飾品を買いますか?

白木さん: 「ジュエリーは大好きだからチェックしてしまいますね。自社のジュエリーもたくさん買っています(笑)。でも、自分へのご褒美として今一番欲しいのは、自由な時間です!」

創業から8年の想いを語る白木夏子さん HASUNA期間限定コンセプトストア表参道スパイラルにて Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

小田: 男性から、女性にジュエリーを贈るときの相談なども受けると思いますが、アドバイスなどは?

白木さん: 「今流行っているからという理由で買ってしまうのは、安易な感じがしておすすめしません。商品に込められたポリシーやメッセージを知ったうえで、彼女にはそれが似合うと思って選んでくれた、ということが女性には嬉しいですよね」

小田: 自分が身に着けるもの、あるいは贈るもの。その背後にある思想やメッセージが美しいと、そのジュエリーはいっそう誇らしげに輝きますね。

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

HASUNA Co., Ltd. 代表 白木夏子(しらきなつこ)

1981年生まれ、愛知県育ち。英ロンドン大学卒業後、国際機関、金融業界を経て2009年4月にHASUNA Co.,Ltd.を設立。
2011日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011キャリアクリエイト部門受賞。2011年世界経済フォーラムGlobal Shapersに選出。2011年AERA「日本を立て直す100人」に選出。2012年APEC(ロシア)日本代表団としてWomen and Economy会議に参加。2013年世界経済フォーラム(ダボス会議)に参加。2014年Forbes「未来を創る日本の女性10人」に選出。
人、社会、自然環境に配慮したエシカルなジュエリーブランドを日本で初めて手掛け注目を浴びる。主な著書に『女(じぶん)を磨く 言葉の宝石』(かんき出版)『自分のために生きる勇気』(ダイヤモンド社)『世界と、いっしょに輝く』(ナナロク社)などある。

■HASUNA公式サイトはこちら
https://hasuna.com/

<店舗情報>
HASUNA表参道本店   東京都渋谷区神宮前5-7-17 KG表参道1F
伊勢丹新宿店HASUNA 東京都新宿区新宿3-14-1伊勢丹新宿本店 1階
HASUNA名古屋栄店   愛知県名古屋市東区泉1-14-23
HASUNA ONLINE STORE
http://hasuna-store.com/

ーーBackstage from “ethica”ーー

世界約10カ国の宝石鉱山労働者や職人とともにジュエリーを制作し、エシカルなものづくりを実践してきた白木さん。2013年には世界経済フォーラム(ダボス会議)にも参加。さらにForbes誌「未来を創る日本の女性10人」に選ばれるなど多方面で活躍されています。また、フリーランサーの安藤美冬さんと共に開催しているオンラインサロン《Wonderland》では、直接交流する機会もあり、起業を目指す若い女性にも人気です。興味のある方は、ぜひ。

記者 小田 亮子

神奈川県出身。求人広告、結婚情報誌などの制作ディレクターを経てフリーランスに。現在おもにブライダル関連のレポートを「ゼクシィ」「ゼクシィPremier」にてディレクション。「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」ほか、エステティック、化粧品、ジュエリーなどの記事をライティング。三人姉妹の真ん中に育ち、女子高・女子大卒。趣味は愛猫(雌)との女子会。

前回の取材映像はこちらから

ーーETHICA TVーー

「内向的な子供時代」「HASUNA創業エピソード~自分探し、そして全てが繋がった~」「ジュエリーの価値は、身につける人をより美しく見せること。」「ブライダルジュエリーについて」「美しいビジネスを創っていきたい。」「 書籍の紹介」そして、白木夏子さんにとっての「私によくて、世界にイイ。」

制作:株式会社トランスメディア

http://www.transm.co.jp

取材協力:かんき出版

https://kanki-pub.co.jp

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

小田 亮子

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