【自宅で美味しいコーヒーを淹れるコツとは?】ワールドバリスタチャンピオンが指南! 〜世界のカフェを巡るカフェマニア・斉藤 アリスがリポート〜
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【自宅で美味しいコーヒーを淹れるコツとは?】ワールドバリスタチャンピオンが指南! 〜世界のカフェを巡るカフェマニア・斉藤 アリスがリポート〜

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

日本人初の世界チャンピオン!

2014年にイタリアで開催されたワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)で、日本人として初めて優勝したバリスタ・井崎英典さん。現在は1年のうち200日以上は海外を飛び回り、世界中のコーヒーショップやカフェで美味しいコーヒーの淹れ方を指導する等多忙な日々をおくっています。

今回はそんな井崎さんに、おうちで本格的なコーヒーを淹れる方法を聞いてきました。どんなコーヒー豆でもこの方程式に従えば、美味しいコーヒーが淹れられるとのこと。知っていれば簡単にできることばかりなので、ぜひ実践してみてください。

どんなお豆を使えばいいの? 正しい保存方法は?

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

昨今は専門店へ行けば、バラエティーに富んだ豆が揃っています。しかしバリスタのように、産地や焙煎の具合によって微妙に異なる淹れ方をマスターするのはなかなか大変。ということで、まずはおうちコーヒーに最適な豆選びについて聞いてみました。

井崎さん「豆選びのポイントは挽き方。少し粗挽きがおすすめです。最もムラなく淹れられますよ。反対に細かすぎるとエグみが出やすくなる分、抽出の技術が求められます。豆の種類は好みで選んでもらって大丈夫ですが、粗挽きに合うものをおすすめします」

ちなみに豆を挽くタイミングは飲む前がベスト。挽いた豆は一週間以内に使い切りましょう。保存は冷蔵庫ではなく、冷凍庫で。使うときは解凍せず、冷凍のままで淹れましょう。

Point 1「計量スプーンはだめ。デジタル計量器を使うべし」

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

<分量(2人分)>
お湯300gに対して豆21gを使用します。

豆が決まれば、さっそく抽出スタートです。井崎さん曰く、とにかく一番大切なのはきっちり分量を計ること。とてもシンプルな方法ですが、水と豆の比率を意識することが美味しいコーヒーへの第一歩です。

井崎さん「いつ誰が淹れても同じクオリティーを保つには、数字に頼るのが一番確実! 軽量スプーンだと豆の大きさや重さによってばらつきが出てしまうため、正確に計ることができません。おすすめは一目で細かい重量までがわかるデジタル計量器です」

Point 2「先にペーパーフィルターを濡らすべし」

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

井崎さん「ドリッパー(赤い器具)にペーパーフィルターをセットしたら、まずは一度お湯をくぐらせましょう。フィルターと器具を濡らしておくことで、より均等に抽出ができます」

ちなみに井崎さんのおすすめ器具は、「HARIO」V60円すい形ドリッパー。抽出口が大きいため、お湯の抜けがよく抽出をコントロールしやすいです。

Point 3「一気に全部のお湯を注ぐなかれ」

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

井崎さん「注ぐお湯の温度は92〜94℃がベスト。用意した豆をペーパーフィルターの中に全て入れたら、まずは豆の3倍の量のお湯を注ぎます」

おっと…いきなり苦手な算数です。えっと、豆は21gだから…
『豆21g×3倍=63g』

 <お湯の注ぎ方>
①豆と器具をセットした状態で一度、計量器の目盛りをゼロに。
②そこから目盛りが63gになるまで、ゆっくりとお湯を注ぐ。

Point 4「蒸らし時間もきっちり測るべし」

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

<お湯の注ぎ方>
③45秒間そのまま放置して蒸らす。
④63gの目盛りが300gになるまで、残りのお湯をゆっくりと注ぐ。

井崎さん「蒸らすことで豆が均等に水分を吸い、抽出のムラがなくなります。45秒の蒸らしタイムも、きちんとタイマーで時間を測りましょう。最初にも言った通り、コーヒーは数字に頼るのが一番確実!」

ちなみに500円玉の大きさの円を描きながらお湯を注ぐと良い、なんてよく言われますが、これは不正解! 500円玉よりももっと大きな円を描きましょう。ペーパーフィルターの円周ギリギリのところまで、出来るだけ大きな円を描くと全体にまんべんなくお湯が行き渡ります。

Point 5「注ぎ終わったあとも安心するなかれ」

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

「終わったー!」とここで安心するのはまだ早い。注いだお湯が全部下に落ちるまでには、2分30秒〜3分ほど時間がかかります。その間にもう一手間!

井崎さん「お湯を注ぐと、コーヒー豆がプクッと盛り上がります。その盛り上がりが2〜3㎝沈んだら、器具を軽く揺すって豆の高さを均一に整えましょう」

コーヒーを淹れていると、お湯が下へ落ちる間にだんだんと豆の真ん中が窪んできて、最終的に蟻地獄みたいな形になりますよね。その坂を平らにならすイメージで豆の高さを揃えると、よりムラのないコーヒーへと近づきます。

本当に美味しいコーヒーは、冷めてもイケる!?

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

アリス「わぁ本当だ! アクや雑味がなくて、お店のコーヒーと一緒。薄くもなく濃くもなく、丁度いい美味しさです。ちゃんと測って淹れる大切さを痛感しました」

井崎さん「コーヒーの美味しさは、冷めたときに如実に感じるもの。あえて冷まして飲んでみて、自分の腕前をチェックするのもありですよ」

番外編:アイスコーヒーの淹れ方

欲張りな私は、最後に美味しいアイスコーヒーの淹れ方も聞いちゃいました。

井崎さん「アイスコーヒーを作るときは、濃い目に抽出した熱々のコーヒーに氷を加えて一気に急冷すると美味しくできますよ。たとえば2人分の場合は、200gのお湯で抽出して100gの氷を加えます」

ホットコーヒーを冷蔵庫などでゆっくりと冷ますと、その間に酸化が進み、味も香りも劣化してしまうのでNG。ポイントは淹れたてを瞬時に冷やすこと。

Photo=COCO Kanai ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

以上。どれもちょっとしたことだけど、知っているといないとでは大違い! ぜひおうちでのコーヒータイムに実践してみてくださいね。

回り道してたどり着いた、アジア人初のバリスタ世界一 【井崎英典・前編】

バリスタ世界チャンピオンの目標は「コーヒーで世界平和」 【井崎英典・後編】

井崎 英典(いざき・ひでのり)

福岡県出身、1990年生まれ。高校中退後、父が経営するコーヒー屋を手伝いながらバリスタに。法政大学への入学を機に、丸山珈琲に入社。2012年史上最年少でジャパンバリスタチャンピオシップ優勝、2連覇達成後、2014年ワールドバリスタチャンピオンシップにてアジア人初の世界チャンピオンに。現在はコンサルタントとして年間200日以上を海外で過ごし、コーヒーエヴァンジェリストとして、国内でも製品開発やコラボレーションを行う。

記者 斉藤 アリス

ロンドン生まれ、愛知県育ち。オーストリア人の父と日本人の母を持つ。明治大学農学部を卒業後、ロンドンの美大学院にてジャーナリズムを専攻し修士号を取得。現在モデルとして活動しながら、ライターとして執筆活動も行う。また、世界のカフェを巡るカフェマニアで「食べログのグルメ著名人」としても活動中。著書に世界10カ国107軒を訪れてまとめた書籍『斉藤アリスのときめきカフェめぐり』。2017年10月より、「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~」執筆活動を展開中。

撮影ディレクション:ethica編集長 大谷賢太郎

あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2023年までに、5つの強みを持った会社運営と、その5人の社長をハンズオンする事を目標に日々奮闘中。

ーーBackstage from “ethica”ーー

先日、虎ノ門の創作和食レストランで食事をしたのですが、奇遇にも食後のコーヒーと一緒に出てきた甘味料がラカントでした。苦いコーヒーは苦手。という人のために井崎さんが作った「ラカント バリスタセレクトセレクト」ならコーヒーの味を損なうことなく、自然な甘さでコーヒーを楽しめます。シェフとお話しする機会もあったのですが、お寿司の酢飯に使う甘味料としても合うとおっしゃってました。(ethica編集長:大谷賢太郎)

関連映像(関連キーワードでtwitterから抜粋)

提供:サラヤ株式会社
http://www.saraya.com

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

斉藤 アリス

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