保津川の自然を守り「プラごみゼロ」を目指す環境先進都市・京都亀岡市のペットボトル削減チャレンジ 使い捨てプラスチックからの脱却に向けて参加者募集スタート
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保津川の自然を守り「プラごみゼロ」を目指す環境先進都市・京都亀岡市のペットボトル削減チャレンジ

京都観光スポット「保津川下り」 丹波亀岡から名勝嵐山まで約16㎞の渓流を約2時間で下るスリル満点の舟下り

渡月橋へと繋がる保津川下りが有名な京都府亀岡市。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」では、明智光秀ゆかりの地として脚光を浴びました。また、2020年には「SDGs未来都市」に選ばれ、環境先進都市としてさまざまな取り組みを行なっています。

そんな同市がこの秋、ドイツ生まれの家庭用浄水器メーカーBRITA Japan、無料給水アプリを提供するmymizu(マイミズ)と協力し、ペットボトルを削減する取り組み『BRITA Japan株式会社×mymizuチャレンジin亀岡』を実施。市民参加型による全国初のエコ・チャレンジに注目が集まっています。

今回は行政・企業・亀岡市民が一丸となってプラごみ・CO2排出量削減に挑戦するというサステナブルなイベントをご紹介します。

「SDGs未来都市」として内閣府から選定されたサステナブル・シティ

京都府亀岡市といえば、同市ゆかりの明智光秀公を主人公としたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(主演:長谷川博己さん)の放映で話題になりました。歴史ある街並みに加え、嵐山の渡月橋まで全長約16kmの渓谷を舟で下る保津川下りが有名で、風光明媚な観光地として愛されています。また、丹波山系を水源とした豊かな天然水資源に恵まれた地域でもあります。

明智光秀 丹波亀山城の城主として丹波亀山を治めた

実はこの亀岡市、環境問題にいち早く着手している市町村のひとつであることをご存知ですか?サステナブルな街づくりを目指す「SDGs未来都市」として、内閣府からの選定を受けたこともあるんですよ。

亀岡市では、2018年12月に「かめおかプラスチックごみゼロ」宣言を発表。エコバッグを持参して買い物することが当たり前の地域社会づくりをテーマに、昨年3月末に全国に先駆けて“プラスチック製レジ袋の提供禁止に関する条例”を制定しました。現在では98%もの市民がレジ袋をもらわずにマイバッグを活用。レジ袋を受け取らない生活スタイルが定着ているそうです。

そして“プラスチックごみゼロ”への次の展開として、使い捨てペットボトルの削減に向け、マイボトル対応型の給水スポットの整備を進めています。

亀岡型自然保育 エコウォーカーキッズ

亀岡市が環境保全を強化する背景には、市内を流れる保津川の存在があります。日本でも有数のおいしい水を提供する亀岡市にとって、亀岡盆地の中央を流れる保津川は地域の重要な水源です。ところが、近年川岸に漂着するプラごみ問題が深刻化。川下りを行う船頭さんらが始めた清掃活動をきっかけに、本格的なプラごみ対策が行われるようになりました。

保津川下り(夏)

保津川下り(秋)

浄水器メーカーのBRITA Japanは亀岡市の環境保護活動に賛同し、2020年6月に同市との包括連携協定を締結。続く2021年4月には、無料給水アプリ「mymizu」を提供するSocial Innovation Japanと環境パートナーシップ協定を締結しました。

ペットボトル削減をテーマに実施される今回の『BRITA Japan株式会社 × mymizuチャレンジin亀岡』は、亀岡市の地域資源を活用した新たな街づくりに向けた第一歩でもあるのです。

マイボトルで無料給水「亀岡のおいしい水」プロジェクト

「市民参加型の今回のチャレンジを通じて、世界に誇れる環境都市としての亀岡市をアピールしていく」と、桂川孝裕市長はイベント開催の背景を説明し、SDGsのゴールである2030年に向けたプラごみ削減の実現を強く宣言をしました。

亀岡市では市内飲食店などと連携し、亀岡のおいしい水を給水できるスポットづくり『いつでも、どこでも「亀岡のおいしい水」プロジェクト』にも積極的に取り組んでいます。マイボトル専用の給水スポットでは温水90℃、冷水5℃、常温水20℃でフレッシュな水道水を無料で提供しています。

今回のチャレンジでは、日本初の給水アプリ「mymizu」との提携により、亀岡市内にどんどん増えている給水スポットを簡単に探すことができるだけでなく、マイボトルで給水するたびにペットボトルの削減量や節約できたお金の額が記録されます。参加した市民の誰もがすぐに数値を把握できるのがポイントです。

Social Innovation Japanのマクティア・マリコさんによると、

「ペットボトルの生産量が世界2位の日本では、毎年220億本以上のペットボトルが出荷されています。そのうち年間約26億本が、リサイクル回収されることなくゴミとなっているというデータも。それらは最終的に海に流れ着くこともあり、問題視されています。ペットボトルを使わずにすむ世の中にしたいという願いのもと、私たちは日本で初めて給水アプリ「mymizu」を立ち上げました。現在、世界20万カ所、日本国内では9600カ所以上もの給水スポットを、「mymizu」を使って簡単に探すことができます。今回のチャレンジは自治体・企業、そして我々のような小さな団体が協力し合うことで、多くの市民を巻き込んで社会全体を動かすきっかけになればと思っています」と話してくれました。

渡月橋までの保津川下り16kmの「ペットボトル削減」達成を目指す

同市とともにサステナビリティの啓蒙活動をはじめ、地元の学生たちへの環境教育支援などを行なってきたBRITA JAPAN。マイケル・マギー社長はイベントの意義をこう語ります。

「プラゴミ削減という共通の願いのもとに行われる今回のチャレンジは、素晴らしい観光資源を持つ亀岡市にぴったりの活動です。イベントの期間中に回避できたペットボトルの数は、保津川下りの距離に例えて表現したいと考えています。亀岡から、川下りの終着地点である渡月橋までは全長16kmほど。1カ月という期間中にどこまで到達できるか今からとても楽しみです。市民の皆さんと一緒にアクションを起こすことが川や海の環境保全、そして海洋生物の保護という世界共通課題の再認識に繋がることを願っています」

2016年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、毎年800万トン以上ものプラスチックが海に流出し、このままでは2050年までに海に生息する魚の総重量を超えると予測する報告書が発表されました。持続可能な開発目標(SDGs)の具体的な目標「ターゲット」の1つにも「2025年までに、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する(略)」ことが掲げられています。

フランスでは2020年より使い捨てプラスチックのカップ、グラス、皿、ストロー、ナイフやフォークなどのカトラリー類の使用が禁止され、EU(欧州連合)や英国、米国などでも、大手スーパーマーケットによるプラスチック容器の削減とリサイクルに向けた取り組みが進んでいます。私たち日本人にも、国際社会の一員としての責任ある行動が求められています。

どこよりも早くプラごみ削減に取り組んできた亀岡市を舞台に、全国初の市民参加型イベント『BRITA Japan株式会社×mymizuチャレンジin亀岡』がいよいよスタートします。官民一体となってサステナビリティやSDGsへの理解を深め、楽しみながらプラごみゼロを目指すこの活動がモデルとなり、亀岡市から全国に広がっていくことを期待したいと思います。

詳細情報

『BRITA Japan株式会社 × mymizuチャレンジin亀岡』

実施期間:2021年10月1日(金)〜31日(日)
参加資格:亀岡市在住、在勤又は通学の方(個人又はチームで参加)
定員および参加賞:先着800名にBRITAボトル型浄水器 Activeを進呈。
配布は亀岡市役所 環境政策課にて。
応募方法:下記のURLまたは右記QRコードから特設ページをご覧ください。
特設ページ URL:https://go.mymizu.co/brita-kameoka
入賞景品:上位者(個人/チーム)にマイクロディスクカートリッジ半年分(6個)を参加人数分贈呈。
※但し、チームの場合提供できる上限数は1チーム10名分まで。
募集期間:2021年8月24日(火)〜9月30日(木)
お問い合わせ先:亀岡市役所 環境政策課 TEL 0771-25-5024

記者:山田ふみ

多摩美術大学デザイン科卒。ファッションメーカーBIGIグループのプレス、マガジンハウスanan編集部記者を経て独立。ELLE JAPON、マダムフィガロの創刊に携わり、リクルート通販事業部にて新創刊女性誌の副編集長を務める。美容、インテリア、食を中心に女性のライフスタイルの動向を雑誌・新聞、WEBなどで発信。2012年より7年間タイ、シンガポールにて現地情報誌の編集に関わる。2019年帰国後、東京・八ヶ岳を拠点に執筆活動を行う。アート、教育、美容、食と農に関心を持ち、ethica(エシカ)編集部に参加「私によくて、世界にイイ。」情報の編集及びライティングを担当。著書に「ワサナのタイ料理」(文化出版局・共著)あり。趣味は世界のファーマーズマーケットめぐり。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

山田ふみ

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