「しあわせ」の循環を創り出す通販会社フェリシモ 吉田美帆子 「エシカルファッションカレッジ」オーガニックコットンブース(前編)
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「しあわせ」の循環を創り出す通販会社フェリシモ 吉田美帆子

さまざまな形でレポートしてきた「エシカルファッションカレッジ」。実は開催日の5月10日という日付にも意味があります。それはずばり“コットンの日”。五(こ)ten(テン)で、「コットン」の語呂合せと、夏に向けて綿素材の商品が販売のピークを迎えることから、日本紡績協会が1995年に制定したものです。今回のイベントでもコットン、なかでも「オーガニックコットン」をテーマにしたブースがいくつか出店されていたので、ここでご紹介いたしましょう。

「しあわせ」の循環を創り出す通販会社フェリシモ

今回オーガニックコットン製商品をワークショップに使用&展示販売していたのは、株式会社フェリシモ。主に女性をターゲットにファッションや生活雑貨などの通信販売を行っている会社です。ラテン語で“最大級で最上級のしあわせ”を意味する社名を持つフェリシモですが、その企業理念は“ともにしあわせになるしあわせ”。

「自分たちらしいクリエイティブが発揮された商品で、きちんと収益をあげて、そこから社会に還元していきたいと考えています」とファッション事業部の吉田美帆子さん。

例えば、犬猫の保護や里親探しの活動などを支援する「フェリシモわんにゃん基金」や緑豊かな森を残すために1口100円からできる「フェリシモの森基金」といった数々の基金の開設、基金付きアイテムの販売などを積極的に行っています。

(左)豊島 営業企画室所属 中村洋太郎さん (前列右)フェリシモ ファッション事業部 吉田美帆子さん

「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」

このような自然環境を守り、育てる活動のひとつである「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」(通称PBP)をより多くの皆さんに知ってもらいたいということで、今回のブース出店を決断したそうです。

コットンの原料となる綿花には、その栽培過程において、ほかの農作物と比べものにならないほどの大量の農薬が必要だとされてきました。その農薬を購入するために主たる産地であるインドの農家は貧窮し、農薬による健康被害や土壌汚染に悩まされ続けてきたのです。

そこで農薬や化学肥料を用いないインド産オーガニックコットンから作られたアイテムを基金付きで販売。現在、レディースファッションを中心に、バッグやタオルなどの雑貨も販売されています。その基金でインドの農家への継続的な有機綿栽培や教育支援を可能にしようとした試みがPBPなのです。

PBPを支えるのは、さまざまな部署から集まった人のつながり

実はPBP専任部署が、フェリシモの社内にあるわけではありません。PBPのカタログを作成したり、商品を開発したりするのは、その趣旨に賛同し、参加したいと手を挙げた社員たち。そう会社組織を横断して集まった人たちなのです。今回エシカルファッションカレッジのことを知り、スタッフとして参加している3名も、みなさんバラバラの部署の方。それぞれ上司の快諾を得て参加を決めたそう。

「通常の業務にプラスしての仕事ですが、PBPに参加することなどには、上司が背中を押してくれるような風土があります。各自の専門分野で貢献したり、逆に新しいことに挑戦できたり……。ここで学んだ経験を通常の業務に活かせることも少なくありません」と吉田さん。フェリシモは、社会活動と事業活動のバランスがとても良い会社だなという感想を抱きました。

フェリシモが生み出してきた、しあわせなエピソードや商品、活動を経営者自身がつづった書籍(英治出版)

多彩な取り組みで地球に寄与するオーガビッツ

PBPを支えているのが「オーガビッツプロジェクト」。PBPのアイテムの原料の輸入、紡績、製品化までをサポートする豊島株式会社が主催するプロジェクトで、今回フェリシモと共同で出店されていました。豊島株式会社は、日本に輸入される綿花の約6割を扱っている繊維専門商社。殺虫剤や農薬への依存度が高い綿花栽培がもたらす影響を憂い、“地球の為にオーガニックコットン”という選択を推進することを発案したのです。

オーガビッツ製品のコンセプトは、「高品質なオーガニックコットン」「ファッション性・機能性・エコロジーの追求」「オーガニックコットンをもっと身近に」の大きく3つ。オシャレで質の良いファッションでアピールし、農家目線でオーガニックコットンを普及させることに尽力しています。

もっと気軽に使えるオーガニックコットンを知って頂きたい

PBPのほかにも、ダウン症のアーティストが集う「アトリエ・エレマン・プレザン」のメンバーが描いた絵をオーガビッツの服に活かし、その売り上げからアトリエ・エレマン・プレザンに寄付。ダウン症の人たちが一緒に生活できる街「ダウンズタウン」の実現を目指すなど、多くの活動を行っています。その中心にいるのが豊島の営業企画室所属の中村洋太郎さん。「やはりオーガビッツで活動をサポートしているアーティスト、Naomi Kazamaさんのプリント版を使ったイベントをしています。フェリシモさんが持ち込まれたシャツや当日来場者が着ていた服に、その場で彼の作品をプリントできてとても好評です。このような場を通じて、日本中の人たちにもっと気軽に使えるオーガニックコットンを知っていただきですね」。

Photo Gallery

PEACE BY PEACE COTTON PROJECTについて

公式サイト: http://info.felissimo.co.jp/pbp/

春夏商品サイト: http://www.felissimo.co.jp/s/fbpbp/42/

facebook: https://www.facebook.com/pbpcotton

オーガビッツプロジェクトについて

公式サイト: http://orgabits.com

facebook: https://www.facebook.com/orgabits

後編はこちらから、http://www.ethica.jp/8068/

記者:とがみ淳志(とがみあつし)64年大阪府吹田市生まれ。神戸大学経済学部(国際経済学科)を卒業後、88年株式会社リクルート入社。海外旅行情報誌「エイビーロード」の営業および制作、93年には結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊を担当。「ゼクシィ」の多角的運営に携わった後、99年に退社後フリーに。編集、プランニング、ライティングを行う。現在は、食、旅、酒、温泉、別荘、住まいなどの分野が中心。2008年10月より「日本旅のペンクラブ」会員に。2011年11月より理事就任。情報誌や雑誌、機内誌およびホームページなど幅広い媒体を手がけている。

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http://www.ethica.jp

とがみ 淳志

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