2023年10月30日 、グッチは、環境保護の提唱者としても知られるアーティスト、ビリー・アイリッシュとコラボレーションした非動物由来の素材「デメトラ」で仕立てた新作バッグ〔グッチ ホースビット1955〕を発表しました。(記者:エシカちゃん)
グッチ ホースビット1955
今回発表されたバッグに使用される非動物由来の素材「デメトラ」は、グッチが長年環境保全に向き合ってこなければ生まれなかった素材です。この画期的な素材を、歌手として多くの人を楽しませているビリー・アイリッシュと商品化。シグネチャーハンドバッグ ラインの1つである「グッチ ホースビット1955」の新作として、販売を開始しました。
グッチ ホースビット1955
広告キャンペーグッチとビリー・アイリッシュのコラボレーションをお祝いして、ビリーのありのままの声と姿にフィーチャーした広告キャンペーンが行われています。
飾り気のない瞬間を映画のようなトーンで切り取った映像と、ビリーが歌う「What Was I Made For?」が掛け合わされたムービーは、エモーショナルな感情を湧き上がらせます。
エシカの疑問
近年、様々な企業やブランドが「環境保護」への活動を活発化させています。
グッチという世界的にも大きなブランドは「環境保護」について、どんな考えを持っているのか・・。
「グッチ ホースビット1955」の発売から浮かんできた疑問を、紐解いていきたいと思います。
[疑問その1] グッチは、環境保護への取り組みに熱心なの?
グッチは、「人々や地球によりよい変化をもたらす」というブランド戦略のもと、以前から、製造に循環性を取り入れた商品製作を行ってきました。
商品開発時から「循環性」を追求し、耐久性、回収、再利用、リサイクル、再生を強化しながら、廃棄物と汚染物質を排除するデザインを模索しています。
グッチが発表している2022年の「GUCCI EQUILIBRIUM インパクトレポート」を見ると、
・オーガニックコットンまたはリサイクルコットンの使用率が、前年の61%から74%にアップ。
・オーガニックでリサイクル可能、またはサステナビリティを考慮して調達されたウールとカシミアの使用率が、2021年の47%から60%へと上昇。
・メタルあるいはクロムフリーのレザーの使用量を2021年の40%から増たし、コレクションで使用するレザー総量の49%を占めるまでに。
・2022年のオーガニックシルクの使用率はほぼ2倍の46%。
・責任ある方法で調達された貴金属(リサイクルシルバー、リサイクルパラジウムレザー、エシカルゴールド)と、サステナビリティを考慮して管理されている森林から調達した原料から作られた紙を使用率100%にするという目標達成を維持。
といった環境保護活動への着実な進展が見て取れます。
[疑問その2] ビリー・アイリッシュの環境保護活動とは
ビリー・アイリッシュは、環境保護の力強い提唱者として広く知られています。環境保護団体REVERB(リバーブ)と提携し、音楽イベントの脱炭素化を目指しながら、会場で廃棄されるペットボトルの削減や募金の呼びかけ等を行っています。2023年8月に行われたロックフェスでは、なんと会場に仮設の太陽光発電所を作り、ステージに使う電力を作り出しました!
[疑問その3] 非動物由来のデメトラってどんな素材?
動物性の原材料を一切使用しない、原材料の75%が植物由来の素材です。グッチの技術者たちが2年間にわたる研究・開発の末に誕生しました。2021年からイタリア国内にあるグッチの自社ファクトリーで生産されているデメトラは、本物のレザーのようななめらかさと弾力性を兼ね備え、ラグジュアリーな品質と柔らかさ、耐久性を持った素材として、グッチの製品に使用されています。
[疑問その4] 動物性素材不使用のサスティナブルなレザーについて、もっと知りたい!
動物性素材不使用のレザー素材としては、合成皮革や人工皮革等、化学繊維や樹脂を使って作られるものが主流です。
そんな中、今注目を集めているのが、天然素材を用いて作られた「植物皮革」。まだまだ量産体勢が整っておらず価格も高価ですが、環境に優しい素材として、徐々に浸透しはじめています。
どんな植物がレザーの材料になっているかというと、「パイナップルの葉」「りんご」「サボテン」「バナナの皮」等。企業やブランドもこうした植物性レザーに興味を持ち、商品開発が次々と進められています。
ブランドがサスティナブルな商品を発表すれば、そこからサスティナブルへの興味が広がっていくように、ブランドの商品や行動は、多くの人に影響を与えます。また同様に、著名人の言葉にも、大きなうねりを巻き起こす力があります。
自らの信念を形として表現していく、そんなブランドや著名人の言動に、力をもらう事しばしばです。
商品や周りの声に耳を澄ましながら、自分にも環境にも心地良いサスティナブルを増やしていけれると嬉しいです。
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp