外食業界のイノベーションは、持続可能なフードシステムを目指す方向へと進みはじめているようです。その動きを象徴するように、今年のFOOD MADE GOOD Japan Awardsで、BEST環境賞を2年連続受賞という快挙が生まれました。(記事:エシカちゃん)
FOOD MADE GOOD Japan Awards
サステイナブル・レストラン協会(本部:英国)が、続可能なフードシステムを実現するための評価指標として用いている、「FOOD MADE GOODスタンダード」。
レストランの運営に関わる食のサステナビリティを「調達」「社会」「環境」3つの柱から10の項目に分類して評価します。
この「スタンダード」のレーティングで高得点を獲得した日本サステイナブル・レストラン協会の加盟店の中から、大賞と部門賞(調達・社会・環境)を決定するのが「FOOD MADE GOOD Japan Awards」です。
2年連続でBES環境賞受賞
2023年11月20日に開催された「FOOD MADE GOOD Japan Awards 2023」において、日本初の快挙が生まれました。
「機能的価値(美味しい料理を提供すること)×意味的価値(健康や環境に配慮すること)」を絶え間なくアップデータし続けることは、大きな志なくして果たせません。
この快挙を成し遂げたのは・・
岡山県真庭市に店を構える、「トラットリア ケナル」というレストランです。
”SDGs未来杜市“に選定された岡山県真庭市の蒜山高原に開店したケナルは、地域に根差した「誰一人とりのこされない」持続可能を発信し続けることを目指して、さまざまな取り組みを行っています。
今回評価された、「環境フットプリントの削減」「食料の無駄をなくす」「リデュース・リユース・リサイクルの推進」3つ指標では、主に下記のような取り組みを行なっていました。
環境フットプリントの削減
店舗で使用している水道、電気の使用量、厨芥量をモニタリングし、CO2排出量を算出。数字を可視化し、SMART削減目標を用いて目標設定することで、削減に努めた。
食料の無駄をなくす
食品ロスゼロを徹底。廃油は業者の引き取ってもらった後、BDF燃料や、液肥プラントの燃料へと再利用を行う。食べ残しは、他の野菜の端材などと共に畑のたい肥に。今年度は、貝殻や卵の殻の飼料化も実現させた。
リデュース・リユース・リサイクルの推進
店内で使用する資材として新たにバイオマスフィルムのおしぼりを採用。プラスチックのメニューPOPを印刷していた昨年に変わり、プラスチックの廃棄量を減らすべく、木の端材を使用した紙のメニューブックを取り入れる。
この他にも、ケナルは、地産地消の季節メニュー開発、フェアトレード認証のあるバナナや珈琲の取り扱い、アニマルウェルフェアに基づき卵は全て平飼い卵にする等の社会面にも配慮した店舗運営を行っています。
「誰一人 とりのこされない」サステイナブルなレストラン
コロナ禍を機に、外食産業のおかれる状況は大きく変わりました。
企業が、そして社会が持続的な成長を続けるために、今、新たな挑戦が必要なのではないか?
フードテック技術の開発や導入、非外食事業領域の拡大によるビジネス機会の創出、DX・フードテック・サステナビリティ・・等、新しい取り組みを実践すべく行動を開始した企業の出現が、外食産業の新しい価値観を築きはじめています。
トラットリア ケナル
所在地:岡山県真庭市蒜山上福田515-4
営業時間:11:00~16:00(月~木)11:00~21:00(金土日祝)
定休日:水曜日
電話番号:0867-45-7309
公式HP:https://saint-marc-innovations.com/qenaru/
LINE:https://lin.ee/uaoM9AS
Instagram:https://www.instagram.com/torattoria_qenaru_2/
地に根を張る植物のように、「トラットリア ケナル」もまた、その土地の自然や環境、そして人と共に幹を延ばし、今回BEST環境賞を2年連続で受賞するという大輪の花を咲かせました。
根を張った植物(ケナル)は、その土地に種を落とし、さらに豊かな土壌を育てています。
地に根を張る企業が、もっともっと増えていくことを望みます。
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp