今、教育業界からも熱い眼差しが注がれている社会起業家・仲本千津さんにザンビアへの訪問について伺いました 〜ethica Woman Project〜
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今、教育業界からも熱い眼差しが注がれている社会起業家・仲本千津さんにザンビアへの訪問について伺いました 〜ethica Woman Project〜

(左)西村菫 バックカシュクールカットソードレス¥23,100(税込)/ CASA FLINE(カーサフライン表参道本店) (右)RICCI EVERYDAY代表の仲本千津さん

ethicaでは女性のエンパワーメントを目的とした「ethica Woman Project」を発足。

いまや「ラストフロンティア」と呼ばれ、世界中から熱い眼差しが向けられると共に経済成長を続けている「アフリカ」を第1期のテーマにおき、読者にアフリカの理解を深めると同時に、力強く生きるアフリカの女性から気づきや力を得る機会を提供していきます。

(第1話)冨永愛さんに続き、(第2話)では、社会起業家・RICCI EVERYDAY代表の仲本千津さんにお話を伺っていきます。

【あわせて読みたい】ethica Woman Project アフリカ編

(第1話)冨永愛インタビュー企画

(第3話)サラヤ 安田知加さん

ザンビアへの訪問

仲本さんは、今年の4月に彼女を題材にした書籍「アフリカで、バッグの会社はじめました」(※)が、第70回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(中学校の部)に選出されるなど、教育業界からも熱い眼差しが注がれている社会起業家です。

そんな彼女が創業した「RICCI EVERYDAY」は、カラフルでプレイフルなアフリカンプリントの布地やウガンダのサステナブルな素材を使用したバッグやインテリアアイテム、アパレルを展開しているウガンダのライフスタイルブランド。製品はウガンダの直営工房において、現地の女性たちの手仕事により作られています。

自らの事業活動を通じ、世界中の女性が社会的通念や固定観念を乗り越え、本来のありたい姿を見出し実現することができる世界を目指す彼女が、ジョイセフのザンビアプロジェクトの縫製スキル/デザイン専門家として、現地を訪れたお話を伺っていく。

女性たちへの縫製トレーニング

RICCI EVERYDAY代表の仲本千津さん Photo=YUSUKE TAMURA ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

ーー昨年10月、アフリカ・ザンビアでジョイセフの活動に参加されました。どんな目的でどのような場所を訪問されたのでしょうか?

ザンビアの都市ルサカから車で2時間ほど北に走った街、カピリムポシに、ジョイセフが、ジェンダーに基づく暴力(GBV)によって被害を受けた女性たちを支援する女性センターを新たに設立しました。DVをはじめとするさまざまな暴力によって傷ついた女性たちの、いわば「駆け込み寺」。家族と離れて暮らせるシェルターがあったり、メンタルヘルスの専門家や、弁護士などの司法関係者、警察につないでくれたりと、ワンストップで対応できる施設になっています。

女性支援センター(内部)建設の様子

縫製の職業訓練の様子

このセンターの中に縫製の職業訓練を行う機能を持たせたいということで、私のウガンダでの経験を活かせたらと、今回の訪問につながりました。ザンビアの女性たちにも、より品質が高く、デザイン性のある魅力的な商品をどう作るかということをトレーニングしてきました。

この状況を変えていかないといけない

縫製の職業訓練の様子 (右)仲本千津さん

ーー訪問先ではたくさんの現地の女性たちと話す機会があったと思います。特に印象に残っている言葉やエピソードは?

アフリカでは伝統的に自宅で出産する女性が多いのですが、保健医療やリプロダクティブ・ヘルスに関する知識がほとんどなく、そのためにたくさんの命が失われてきた、と伺いました。その話にはショックを受けました。また、出産の際に何かしら問題や事故が起きたとき、夫が暴力を振るったのではないかと疑われるのだとか。妻や子どもを助けたいという気持ちがあるにもかかわらず、自宅という閉鎖された空間で出産が行われるために夫が疑われ、皆が傷ついてしまうのです。出産や子育てという現場でさまざまな人たちの尊厳が踏みにじられている現状にはすごく衝撃を受けました。それと同時に、この状況を変えていかないといけないと強く感じましたね。

先ずは、ポジティブな変化を生み出す行動から

RICCI EVERYDAY代表の仲本千津さん Photo=YUSUKE TAMURA ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

ーー日本からアフリカは「遠い国」という印象があります。日本にいる私たちでもできること、すぐに始められることがあれば教えてください。

ジョイセフサポーター企業のサラヤさんも、そして私たちが運営する「RICCI EVERYDAY」もそうですが、アフリカの女性たちとつながりを持つ商品を販売している企業は、実は日本にもたくさんあります。たとえば化粧品を買う際、機能性やデザインだけでなく、「これを普段使うことで誰かの生活がより豊かになる」といったポジティブな変化を生み出すことにつながる行動を、買い物や生活に積極的に取り入れてみたらいいのでは、と思います。

そういったブランドや企業は、自分たちがどんな課題に向き合い、それに対してどういった解決策を提示しているかを、Webサイトなどを通じてきちんと説明しています。そうした情報を自分たちでキャッチアップしていく。そんなことから始めてみてはいかがでしょうか?

仲本千津

1984年静岡県生まれ。一橋大学大学院卒業後、邦銀で法人営業を経験。その後国際農業NGOに参画し、ウガンダの首都カンパラに駐在。その時に出会った女性たちと日本に暮らす母と共に、カラフルでプレイフルなアフリカンプリントを使用したバッグやインテリアアイテム、アパレルを企画・製造・販売する「RICCI EVERYDAY」を創業。2015年に日本法人、2016年に現地法人及び直営店舗をカンパラ市にオープン。2019年に日本初の直営店舗を代官山にオープン。2022年に日本直営店舗を神楽坂に移転し、神楽坂ショールームとしてリニューアル。受賞多数。https://www.riccieveryday.com

(※)仲本千津さんを題材にした初の書籍「アフリカで、バッグの会社はじめました」について

著者:江口絵理 / 出版社:さ・え・ら書房 / 紹介ページ:https://note.com/eri_eguchi7/n/n6186dcef9bd5

取材を終えて

私たちでも、企業の姿勢をキャッチアップすることや、日頃の買い物や生活の取捨選択を通して、ポジティブな世界にシフトが出来る。仲本さんのお話を聞きそう感じました。書籍も拝読したいと思います。

【あわせて読みたい】ethica Woman Project アフリカ編

(第1話)冨永愛インタビュー企画

(第3話)サラヤ 安田知加さん

左から、西村菫(ethica公式ファシリテーター)、冨永愛(ジョイセフアンバサダー)、仲本千津(ジョイセフ専門家・社会起業・RICCI EVERYDAY)、安田知加(ジョイセフパートナーシップ企業・SARAYA)

インタビュー当日は、実際にアフリカ(ウガンダ・ザンビア)に訪れた御三方と座談会を開催しました。

・冨永愛(ジョイセフアンバサダー)

・仲本千津(ジョイセフザンビアプロジェクト専門家・社会起業・RICCI EVERYDAY)

・安田知加(ジョイセフパートナーシップ企業・SARAYA)

司会進行役は、ethica公式ファシリテーターの西村が務めました。座談会の動画も合わせてご覧頂けます。

聞き手:ethica公式ファシリテーター 西村菫

1997年生まれ。千葉県出身。上智大学卒。トビタテ9期生として、2019年1月より1年間ドイツに留学。2016年からNPO法人じぶん未来クラブにて学生ボランティアとして活動。日本各地で行われる教育ワークショップにてこれまでに1000人以上の子どもたちと関わる。留学中、ドイツでの地球や動物に優しい暮らしや考え方に衝撃を受け、帰国後は「日本の若者が社会問題に目を向けるきっかけ作り」を自らの活動の柱とすることを決意。現在は「自分らしく働く」を目標に掲げワークショップデザイナーとしてコミュニティ運営や居場所作りを行っている。

文:中津海麻子

慶応義塾大学法学部政治学科卒。朝日新聞契約ライター、編集プロダクションなどを経てフリーランスに。人物インタビュー、食、ワイン、日本酒、本、音楽、アンチエイジングなどの取材記事を、新聞、雑誌、ウェブマガジンに寄稿。主な媒体は、朝日新聞、朝日新聞デジタル&w、週刊朝日、AERAムック、ワイン王国、JALカード会員誌AGORA、「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」など。大のワンコ好き。

企画・構成:ethica編集長 大谷賢太郎

あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年7月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」を創刊。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2018年6月に文化事業・映像事業を目的に3社目となる「株式会社トランスメディア・クリエイターズ」を創業。

創業12期目に入り、自社メディア事業で養った「情報力」と「アセット」を強みに「コンテンツ」「デジタル」「PR」を駆使した「BRAND STUDIO」事業を展開するほか、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を展開。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

中津海 麻子

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