終わりを想起させる「死」を、循環という終わることのない輪の中へと招き入れる埋葬の形があります。「森と生きる・森に還る・森をつくる」を合言葉に掲げる、循環葬®︎「RETURN TO NATURE」についてご紹介します。(記事:エシカちゃん)
多様化する埋葬の形
樹木葬や散骨といった、「お墓に入る」とは別の形の埋葬方法が、認知されるようになりました。今回ご紹介する循環葬®︎「RETURN TO NATURE」は、地球上で繰り広げられる「循環」の輪に乗った、埋葬の方法です。
循環葬®︎「RETURN TO NATURE」
2023年にat FOREST株式会社によって開始された、循環葬®︎「RETURN TO NATURE」というサービスは、人と緑が循環する、新しい埋葬の形を提示しました。
循環葬®︎「RETURN TO NATURE」の概要
RETURN TO NATUREに登録したメンバーのご遺骨は、土壌学の専門家による監修のもと、森へと埋葬されます。その際、墓標等を設けることはなく、木から舞い落ちた葉のように、ご遺骨は大地へと還り、次なる生命の苗床となります。
散った葉や動物の体が、やがて土へと還っていき、そこから新しい息吹が――。
これまで、循環の輪からは少し離れた場所にあった人間の埋葬が、RETURN TO NATUREでは、次なる芽吹きへと繋がる循環の輪の中で営まれます。
お墓等、死後に形として残るものはありません。
しかしながら、死後の体が、(家族や恋人、未来で大切にしたい生命まで)全ての命を抱き込む大地の一部となるのなら、それは、ある種の形見となり、安らぎとなるのかもしれません。
森林保全団体「more trees」を通して日本全国の森へ
RETURN TO NATUREを、「日本全国の森をつくること」へ繋げる為に、at FORESTは、音楽家・坂本龍一さんが創立した森林保全団体「more trees(モア・トゥリーズ)」への寄付を開始しました。
more treesは、日本各地の地域と協働した森の保全活動をはじめ、国産材を活用した商品の企画・開発等、「森と人がずっとともに生きる社会」を目指した取り組みを行っている団体です。
more treesへの寄付を通じて、(埋葬される森だけではなく)日本各地の森との繋がりを得たRETURN TO NATUREは、ひと所に止まることがない循環の形へと、また一歩、近づくことになりました。
循環葬®︎「RETURN TO NATURE」
死が終わりを意味するのなら、それは耐え難い程の恐ろしさではないでしょうか。しかし(何だかおかしな言いようですが)死が未来へと繋がっている、循環の一部として成り立つのなら、死への思いは、いくばくか違ったものへと変わっていくような気がします。
記者:エシカちゃん
白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp