ザ・キャピトルホテル 東急「サステナブル テーブル 第5章」ネイチャーポジティブ(生物多様性の保全に配慮した食事)編集部体験レポート!
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ザ・キャピトルホテル 東急「サステナブル テーブル 第5章」ネイチャーポジティブ(生物多様性の保全に配慮した食事)編集部体験レポート!

開催会場:ザ・キャピトルホテル 東急 Photo=Kentaro Ohtani©TRANSMEDIA Co.,Ltd

ザ・キャピトルホテル 東急ではこれまでに4回、食に関するサステナブルな活動の発信とその促進を目的とした美食イベント「サステナブル テーブル」を行ってきました。5回目の開催となる今回は、「ネイチャーポジティブ」(生物多様性の保全に配慮した食事)をテーマに、このイベント内でしか味わえないサステナブルなコース料理が振る舞われます。前回に引き続いて今回も編集部がイベントに参加してきましたので、過去の催しも振り返りつつどのような内容になったのか、お伝えしてきます!

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サステナブル テーブルとは?

「サステナブル テーブル」は一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会のプロジェクト・アドバイザー・シェフの杉浦仁志さんと同ホテル総料理長の曽我部俊典さんがタッグを組んで行うイベントです。

これまで4回にわたって、「プラントベース」「食品ロス」「サステナブルシーフード&ベターミート」「ウェルビーイング」をテーマとし、食を中心としたあらゆる観点からの“サステナブル”な取り組みを提案してきました。

(左)杉浦仁志氏 (右)曽我部俊典 総料理長

1年半ぶりの開催となる今回は、「ネイチャーポジティブ」(生物多様性の保全に配慮した食事)をテーマに、日本料理「水簾」、中国料理「星ヶ岡」、オールデイダイニング「ORIGAMI」の各レストランシェフも集結し、特別なメニューの提供と、各料理における“サステナブル”な要素を説明いただくという、学びも含めた特別なディナーの提供となります。

曽我部俊典 総料理長 直筆レシピ

グローバル基準の「FOOD MADE GOOD」

冒頭の挨拶では、杉浦シェフと曽我部シェフ、そして一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会の下田屋毅(しもたや たけし)代表理事が登壇し、「ネイチャーポジティブ」を通じた、食におけるサステナビリティの重要性を説きます。「生物多様性」というキーワードがどのように食に関係しているのかはさまざまな観点からアプローチすることができます。

一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会 プロジェクト・アドバイザー 杉浦仁志氏(Social Food Gastronomy エグゼクティブシェフ) Photo=Kentaro Ohtani©TRANSMEDIA Co.,Ltd

一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会では「FOOD MADE GOOD スタンダード」と称したグローバルな基準で、調達・社会・環境、の3つに分けた主に10項目の重点分野で持続可能な未来の食卓を提唱しており、たとえば具体的な取り組みとしては、代替ミートやフェアトレード、地産地消、食品ロス削減、コミュニティとの連携やCFPの取り組みなどが挙げられます。また、あまり一般的には認知されていないところだと、日本では海での漁の過剰さや、海温上昇が磯焼けを引き起こしているといった課題もあり、ミニセミナーではエビデンスとともにその深刻さや重要性を詳しく教えてくれました。

一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会 下田屋毅 代表理事 Photo=Kentaro Ohtani©TRANSMEDIA Co.,Ltd

ネイチャーポジティブなコース料理の開始!

一生懸命学びを深めたところで、お腹が空いてきました。美味しいものを味わい、楽しんでこその料理!というシェフ達の誘いと共に、本日のメニューが目の前に運ばれてきます。

美しく配置されたテーブルコーディネート

まずは杉浦シェフと曽我部料理長が振る舞うアミューズから。レッドキャベツとベリーを使ったヴィーガンタルトや、海を丸ごと1つの作品に落とし込んだ磯のタルト、日本で養殖する希少な国産エスカルゴに、スイカを余すところなく使った廃棄ゼロのスイカのデクリネゾンが一皿で運ばれます。

杉浦シェフと曽我部料理長が手がけたアミューズ

つづいて前菜には、日本料理「水簾」の古屋板長による里山文化を持続させるというテーマで作られた夏の山菜を使った冷たい炊き合わせに、中国料理「星ヶ岡」の山橋シェフによるエゾジカを使った温前菜が登場。冷たい和のものと、温かな中華を感じるスープが空腹の胃に染み込みます。

日本料理「水簾」の古屋板長による里山文化を持続させるというテーマで作られた夏の山菜を使った冷たい炊き合わせ

中国料理「星ヶ岡」の山橋シェフによるエゾジカを使った温前菜

ピンク色の美しいスープを流し込んで完成する一皿は、オールデイダイニング「ORIGAMI」の安保シェフが創作する、和歌山産あら川桃とトマトのガスパチョ。こちらは規格外品を使用することによって食品ロス削減や食料自給率の向上に貢献しています。まるでデザートのようなほんのりした甘さとさまざまな食感が楽しい一皿です。

オールデイダイニング「ORIGAMI」の安保シェフが創作する、和歌山産あら川桃とトマトのガスパチョ

お待ちかねのメイン料理となるお魚料理は再び杉浦シェフによる、ボリュームたっぷりの白寿真鯛とエキスのソース。愛媛県西予市の鯛を余すところなく使用した一品です。お肉料理は曽我部料理長から。「土佐あかうし」を、小夏のジャレと土佐の有機野菜と共にいただきます。祖父母が愛媛県でみかん農家だったという曽我部料理長。子供の頃に祖母が作ってくれていた、ほろ苦かった柑橘の皮の佃煮の思い出がアイディアの元になったのだそう。

お魚料理は再び杉浦シェフによる白寿真鯛とエキスのソース

お肉料理は再び曽我部料理長による「土佐あかうし」を小夏のジャレと土佐の有機野菜

楽しみにしていたデザートは、安里シェフパティシエによる信州大実のコンポートと杏仁アイスです。こちらも皮や身や種は全て利用して食品ロスを無くす試みがなされています。

デザートは安里シェフパティシエによる信州大実のコンポートと杏仁アイス

このまま飾っておきたい気持ちになる美しい料理のデザインは、夏の花火をイメージしているのだそう。近年では環境配慮の点や持続可能性の困難さから、花火大会も中止になっているところが増えてきているのだとか。そんな中でも夏の風物詩を味わってもらいたいという作り手の粋な愛が感じられる、目にも舌にも楽しい一品です。

 

美味しいものを味わってわたし自身も幸せになり、サステナブルを学び実践するという社会にとっても良い、こうした取り組みはまさにウェルビーイング。こうした選択肢が世の中にもっと溢れていってほしいと思います。機会があれば、ぜひ参加してみてはいかがでしょう。

文:神田聖ら(ethica編集部)

 

ザ・キャピトルホテル 東急 総料理長兼副総支配人

曽我部俊典

神奈川県生まれ。大阪の調理師専門学校卒業後、愛媛県のホテルに入社。26歳でフランスに渡り本格的にフランス料理を学びました。帰国後、1987年名古屋東急ホテルに入社。2001年セルリアンタワー東急ホテル「クーカーニョ」シェフへ就任し、2007年「ミシュラン東京’08」一ツ星を獲得。2008年横浜ベイホテル東急 総料理長へ就任し、2017年からは副総支配人も兼任。2019年4月から現職。お客様の心に残るおもてなしの追求と絵画をイメージしたメニューの創作など新しい料理の世界を開拓し続けるほか、後進の育成にも力を注いでいます。

Social Food Gastronomy エグゼクティブシェフ

杉浦仁志

大阪府生まれ。2009年渡米。料理業界のアカデミー賞とされる「ジェームス・ビアード」を受賞しているジョアキム・スプリチャル氏のもとLA・NYCのミシュラン星付きレストランで感性を磨き技術を習得。エミー賞授賞式・NYCティファニープライベートイベントの他、国連日本政府代表部大使公邸で開催された安倍元総理大臣はじめ各国大統領・国賓関係者のレセプションイベントに日本代表シェフとして2年連続責務。国内外で培った国際的な食経験を通じ、日本におけるヴィーガン・プラントベースの第一人者として活躍。現在は「プラントベースガストロノミー」と称し食を通じたより多角的な社会貢献活動から持続可能な社会を推進し、日本サステイナブル・レストラン協会プロジェクトアドバイザーを務めています。

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