1930年の設立以来、90年以上の歴史を持つ家族経営のバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社は、メドック格付け第一級、5大シャトーの一つであるシャトー・ムートン・ロスチャイルドを擁する世界的なワインカンパニーです。そんなロスチャイルド家の創業者のひ孫であるナタン・セレイス・ド・ロスチャイルドによって生み出された「ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン・オーガニック・バイ・ナタン」が7月に発売。オーガニック認証・ヴィーガン認証を取得している編集部注目の白ワインを味わってきました。
世界で最も愛されるボルドーワイン 5大シャトーのシャトー・ムートン・ロスチャイルド
1855年のパリ万博の際に制定された長い歴史を持つフランスボルドー地方メドック地区の格付けは、シャトー・オー・ブリオンを除く赤ワインを対象に、第1級~第5級の5つの階層に格付けがなされています。その第一級に君臨し、5大シャトーとも言われるうちの一つがシャトー・ムートン・ロスチャイルド。
その中のムートン・カデ・シリーズは1930年、当時28歳だったバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドによって手掛けられ誕生しました。ブランドネームは、彼が一族の末っ子(カデ)であり、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドがムートンロスチャイルドのオーナーであったことが由来です。このムートンカデワインには、より幅広い消費者が良質なボルドーワインを手に取れるように、広く普及したいと言う思いが込められています。
若い世代に楽しんでもらいたい ナタン氏の好きなものが詰まった白ワイン
そんな血筋を現代に受け継いでいるのが、ロスチャイルド家創業者のひ孫であるナタン・セレイス・ド・ロスチャイルド氏です。1999年生まれのニュージェネレーションである彼が8人の栽培農家と協力し、20ヘクタールの有機栽培ブドウ畑から選び抜いたテロワールの結晶体が「ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン・オーガニック・バイ・ナタン」になります。今回来日が叶わなかったナタン氏ですが、ビデオメッセージでの挨拶がありました。
フランスのメドリック地方の豊かな田舎でピクニックを楽しんだ思い出の風景がラベルに反映され、ニューヨークで音楽を習っている彼らしく、オリジナルのスコア(楽譜)を考えるようにワイン造りを楽しんだとのこと。ナタンの情熱と好きなことで構成され、オーガニック認証とヴィーガン認証も受けています。自身を含める若い世代の価値観に寄り添って作られており、普段あまりワインに馴染みがないような若者が初めて飲んでも美味しいと思ってもらえるような味を目指してフレッシュさとフルーティさに拘っているのだそうです。
実際に味わってみると、口に含んだ第一印象はグレープフルーツやレモンのような柑橘系のアロマが爽やかでスルッと口溶けがよく、時間と共にフローラルな香りへの変化も感じられます。ジャスミンやアニスと言った花の香り、そして余韻には甘草の香りまでイメージできるように構成されているのだとか。ナタン氏が自然豊かな田舎の中で感じた大地の香りをお土産に運んできてくれたような気分になります。口の中をあっさりと一新させてくれる爽やかさで、食前酒や魚介類と合わせるのにもぴったり!価格もクオリティに対して驚くほどリーズナブルに設定されており、若い人にも日常的に手に取りやすくなっているところも嬉しいポイントです。一人でも、親しい人とでも、どんなシーンにも合わせやすい最高品質のワインをぜひ試してみてはいかがでしょうか。
文:神田聖ら(ethica編集部)
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